研究課題/領域番号 |
20K04368
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
綱島 均 日本大学, 生産工学部, 教授 (30287594)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 鉄道 / 安全性 / 状態監視 / 軌道 / 状態基準保全 / スマートフォン / 踏切 / スマートホン / IT / 地方鉄道 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄道の安全性確保のためには,地方鉄道の営業車両の走行データを一括収集・管理し,軌道の状態を診断・予測するセンターが有効であると考えられる.本研究では,地方鉄道の安全性を向上させるため,複数の鉄道事業者と連携し,汎用の携帯型情報端末(以下スマートフォンと記す)を活用 して,1)予防保全による軌道の高安全度化,2)踏切の高安全度化,を達成するための技術開発 を実施する.スマートフォンを用いて収集した大量の車両動揺データから,機械学習を用いて軌道 の状態を診断・予測する.また,常時計測によって得られる車両の位置,速度情報を利用して,第4 種踏切に対する接近警報システムの開発を実施する.
|
研究実績の概要 |
営業車両を利用した軌道の状態監視において,比較的高精度で軌道状態が監視できる列車動揺検査装置として,センサ及び通信機能を内蔵したスマートフォン (小型情報端末)の活用が有効であると考えられる.銚子電鉄路線において,スマートフォン(小型情報端末4機種)を用いた車体動揺計測を実施した. 小型端末内蔵のGPSの緯度経度を用いた位置情報では,適切な補修位置を指示することが精度的に問題となることが考えられる.そこで,GPSの搬送波のドップ ラ効果に基づき測定される速度に着目し,この速度情報を移動距離に換算し,軌道補修の位置同定の精度検証及びGPSの速度情報を地点検知データとして活用す るための検証を,2021年度に引き続いて行った. これまで使用していた汎用小型端末BL02に対して,アンドロイド型スマートフォン(Galaxy)を使用した場合は,マルチパスの影響を受けにくく,位置同定精度が大きく向上することがわかった.このため,2022年度からはアンドロイド型スマートフォンを用いた計測を実施することにした.また,計測した3軸振動加速度および各軸周りの角速度を利用した軌道状態診断を実施中である. 以上の成果は,2023年8月21日から25日に開催される車両運動制御に関する国際会議(IAVSD2023,カナダ)において公表する予定である.
スマートフォンを用いた列車接近警報システムの開発については,プロトタイプのシステム開発を完了し,山形鉄道において実証実験を行い,2022年5月26日に鉄道技術展・大阪で開催するシンポジウム,未来につなげる地方鉄道 -地方鉄道の安全性とこれからの運営を考える- において成果を公表した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルス感染拡大の影響により,現地における計測が2022年度は遅れていたが,2023年1月からは高頻度に測定が可能となった.そのため,研究期間を1年延長し,当初予定した計測回数を確保できるようにする.なお,スマートフォンを用いた列車接近警報システムの開発については,プロトタイプのシステム開発を完了し,山形鉄道において実証実験を完了している.
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は制約を受けずに実験が行える環境となったため,山形鉄道,銚子電鉄において定期的に実測データを取得し,軌道状態診断を実施する予定である.
|