研究課題/領域番号 |
20K04384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
成田 正敬 東海大学, 工学部, 講師 (90733717)
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研究分担者 |
加藤 英晃 東海大学, 工学部, 講師 (90734476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 磁気浮上 / メカトロニクス / 振動工学 / 磁気工学 / フレキシブル素材 / 非接触搬送 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気浮上技術は、支持対象と支持装置が物理的に接触しないため、エネルギー損失や浮上対象の摩耗、破損、騒音といった問題点を根本的に解決できる。産業界では高張力鋼の採用による軽量化やコスト削減などの理由により薄く柔軟な鋼板の利用が広がっている。このようなフレキシブルな鋼板を浮上させる場合、平板自体が変形する弾性振動が発生し、浮上制御は非常に困難となる。申請者らは従来磁気浮上制御が非常に困難であった薄く柔軟な鋼板に対して、対向する電磁石から水平方向に張力を加えながら浮上させ、さらに各電磁石対に位相の異なる交流電流を入力して移動磁界を発生させて推進力を得る磁気浮上搬送システムを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、従来磁気浮上制御が非常に困難であった薄く柔軟な鋼板に対して、対向する電磁石から水平方向に張力を加えながら浮上させ、さらに各電磁石対に位相の異なる交流電流を入力して移動磁界を発生させて推進力を得る磁気浮上搬送システムを提案する。本研究は4年間で以下の目的を達成できるように研究項目を設け、段階的に実施する予定である。 1.電磁石対から効率よく推進力を得るための電磁石形状の決定と定常電流、制御電流が加わった状況下での交流電流の位相や振幅の変化に対する推進力特性の把握 2.柔軟鋼板に定常的に加振力が入力された際に周辺自由の磁気浮上鋼板における振動現象の解明と制振可能な電磁石対間隔など機械的最適値の解明 3.1つの制御量で張力、位置決め、推進力の3つの制御対象を満足させる制御理論の構築 本年度は下記2点の内容を中心に検討を行った。 1,磁気回路を考慮した推力の検討、対向する電磁石や隣接する電磁石対の磁極を変更して磁気回路を活用した際の推力特性に関する検討を行った。その結果、隣接する磁極の極性を変更することで、隣接する電磁石ユニットにおいて磁気回路が構成されている様子が確認でき、推力特性への影響を明らかにすることができた。 2,交流磁界による電磁力変動を考慮した制御モデルの構築 2年目の振動解析結果を踏まえて、交流磁界による張力、支持力、推進力の変動を予め考慮したフィードバック・フィードフォワード併用型の制御モデルを構築した。シミュレーション上においては動作されたことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
提案する搬送システムの対向する電磁石や隣接する電磁石対の磁極を変更して磁気回路を活用した際の推力特性に関する検討については計画通り進捗することができた。しかしながら、交流磁界による電磁力変動を考慮した制御モデルを用いた実験について、新型コロナウィルスの感染防止対策のため研究施設への入構を計画通り行うことができず、測定実験が十分に行えていない。
これまでの解析から得られた結果を精査して実験項目を整理し、短時日で傾向を得られるよう整理を行っている。また今年度の検討と共通する部分を優先して実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はこれまでに得られた知見を踏まえて、コロナ禍で測定実験が充分に行われていない基礎的な測定実験に加えて、定常電流による張力、制御電流による水平位置決め、交流電流による推進力の関係について、それぞれのパラメータを変更して鋼板の浮上安定性と推進力の関係性を明らかにするとともに、研究の総括を行う。
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