研究課題/領域番号 |
20K04386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
目黒 淳一 名城大学, 理工学部, 准教授 (30537808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 位置推定 / GNSS / IMU / 衛星測位 / マルチパス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,GPS/GNSSを活用した衛星測位の長年の課題である,マルチパスに起因する誤差の解明を目的とする.従来,さまざまな方法によりマルチパスの解析や,そのシミュレーションが行われてきた.しかし,未だ衛星測位のマルチパスがどのように発生しているかは解明されてはおらず,また,その影響を完全に排除することはできていない.そこで本研究提案では,自動車・ロボットといった移動システムに着目し,マルチパスが発生する原因となる周囲環境の特徴を特定し,環境に応じたマルチパスの発生状況の学習をすることで,実環境/データに基づいたマルチパスの解明を目指す.
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研究実績の概要 |
2023年度では,昨年度までに開発をしたGNSS及びIMUの誤差モデルを応用し,シミュレータ上でリアルタイムでGNSS,及びIMUの実環境の誤差が生成可能なシステムの構築を行った. まずGNSSに関しては,衛星測位精度をcm級の測位解であるFix解とm級の測位解であるFloat解の2つに大別をして,その推定を行った.本研究では,基本的には2022年度の成果をベースにシミュレータへの実装を行う.しかし,2022年度の手法には,環境によって経験的に決定しなければならないパラメータが複数存在する問題がある.そこで,直感的に決定しやすい単一のパラメータとして,衛星数を用いた衛星測位精度の予測を行った. 次に,IMUに関しては,特にジャイロに注目し,走行環境におけるアラン分散の劣化が考慮されていない問題を解決することで対応を行った.具体的には,従来の誤差モデルに,振動による誤差の影響を追加することで,走行時の環境におけるアラン分散の劣化を考慮したセンサデータの生成を行った. 最後に位置推定誤差に関する検証として,名古屋駅周辺の環境で,実際の車両で収集したセンサデータとシミュレーションのセンサデータを用いて,位置推定誤差を算出し,同様の傾向が得られるか検証を行った.その結果,実測とシミュレーションで同様の誤差分布が得られたため,本研究で開発したシミュレータを用いて,位置推定精度の事前検証を行える可能性を確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では三次元点群を活用したGNSSの位置誤差の推定を目標としている.2022年度,2023年度の成果により,三次元点群を活用して実環境におけるGNSSの位置誤差を予測できる可能性を確認することができ,また実用に耐えうる処理速度も実現可能な見込みを得ることができている.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では,2023年度までの研究の成果をより実践的に検証をするため,実際に自動運転が望まれている環境下において,開発しているシミュレータを用いてアルゴリズムの開発を行うことで,位置誤差予測の精度をさらに向上させることを目指す.併せて,研究の一つの目標としていた,三次元点群の形状とGNSSの位置誤差の関係の検証に関しても,その理解を深めることを目指す.
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