研究課題/領域番号 |
20K04412
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
安藤 芳晃 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30323877)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ULF帯電磁波 / 地殻内伝搬 / WLP-FDTD法 / ULF電磁放射 / 地震 / ULF帯地殻内電磁波伝搬 / 地震電磁気学 / 地殻内電磁波伝搬 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
地殻内電磁波伝搬の効率的な数値シミュレーション法を確立する.地殻内電磁波伝搬は未知の問題を多く残した分野であり,その数値シミュレーション法を確立する意義は大きい.本研究では重み付ラゲール多項式(WLP)による有限差分時間領域(FDTD)法を適用することを試みる.また確立した手法を用いて,地殻変動に伴う電磁放射問題に適用し,地殻変動の規模と放射波源の強度との相関を調査する.
|
研究実績の概要 |
Douglas-Gunn(DG)アルゴリズムに基づくWeighted Laguerre Polynomial-Finite Difference Time Domain (WLP-FDTD)法の効率的解法について、3次元計算への適用を行った。数値計算結果の検証を行ったところ、WLP-FDTD法の展開項数を増やすと解が不安定になる現象が観測された。これについては2次元では見られなかったものであり、3次元のスキームにおいて原理的に生じるものか、重み付きラゲール関数の級数解の収束判定を調べているところである。 同時に、WLP-FDTD法を用いた地殻変動に伴う電磁放射の検討を2次元解析で行っている。昨年度までは導電率分布としてAlekseevらが開発したグローバル導電率モデルを用いて行っていたが、水平方向の空間解像度が0.25°×0.25°であり、例えばグアム地震などに対して観測機を設置したグアム島を正確にモデル化できない。そこで、グローバル導電率モデルにGrayverが開発した海洋導電率モデル(0.1°×0.1°)を重畳させ、導電率の空間解像度を向上させたモデルを開発した。海洋導電率モデルは海洋部以外では導電率データのない不連続部が生じるが、それを多項式による補外によって補完した。開発したモデルを用いて全てのイベントで解析をし直し、波源電流強度の推定精度を向上させた。また伊豆諸島群発地震については、設置された観測器が選択的にULF電磁放射を観測したことを踏まえ、原因となる地震の特定を行って解析をし直した。地震の規模と推定電流強度の間に良い相関があることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DGアルゴリズムを用いた3次元WLP-FDTD法について開発したものの、不安定性が生じているのでその原因を追求しているとともに、DGアルゴリズムを用いない3次元WLP-FDTD法について開発をしている。 導電率モデルの詳細化を行い、地殻変動に伴うULF帯電磁放射のシミュレーションの精度向上が図れている。
|
今後の研究の推進方策 |
3次元WLP-FDTD法を用いた電磁場シミュレーション法を開発して、地殻変動に伴う電磁放射の検証を引き続き行ってゆく。精度向上させた導電率モデルを用いて開発した3次元WLP-FDTD法に実装する。波源電流強度とマグニチュードの相関を3次元で検証してゆく。
|