研究課題/領域番号 |
20K04416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
川島 朋裕 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70713824)
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研究分担者 |
村上 義信 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10342495)
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30314090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 部分放電 / 波形特徴量 / 電気トリー / 絶縁劣化 / ナノコンポジット / 電子なだれ / 状態診断 / 波形 / 特徴量 / 絶縁システム / 内部状態診断 / 部分放電波形 |
研究開始時の研究の概要 |
電力機器の絶縁劣化の最終局面である電気トリーは,部分放電(PD)を伴った局所的な絶縁破壊の一種である。PD波形の特徴量や周波数スペクトルなどは,放電空間における電子とイオンの挙動を反映しているが,先行研究の多くが,アナログフィルタで加工したPD波形の大きさや発生位相角などの古典的パラメータに基づいて電気トリー中のPD特性を議論するに留まってきた。本来のPD波形の特徴量からは,放電空間内部の状態を表す貴重な情報が得られるはずである。本研究では,統計的かつ時系列にPD波形の特徴量の変化を解析する。PD波形の特徴に基づいた新たな絶縁劣化の評価手法を提案し,絶縁劣化メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ナノコンポジット絶縁材料は耐トリーイング性の向上など絶縁特性が優れるが,多くは光学的観察と部分放電(PD)特性(発生位相角分布パターンなど)を以って電気トリーの発生と進展抑制が議論される場合が多い。一方で,本来のPD波形の特徴量は,放電空間における電子なだれの特性を反映している可能性が高い。本研究では,模擬トリー管を用いて放電点を限定し,ナノフィラー添加によるPD波形の特徴量変化を調査した。ナノフィラー添加により,PD波形に多数のピークが表れることを示した。ピークの時間差やピークの大きさ等を統計的に解析し,PD波形の特徴量の観点から電気トリー中の電子なだれの進展特性とフィラーの関係を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
部分放電(PD)波形の特徴量は劣化状態を色濃く反映した貴重な情報である。可能な限り広い周波数帯域を有するPD計測装置を開発し,一発一発のPD電流波形を時系列的に計測した。ナノフィラーの添加によって多峰波形の観測確率が増加することを示した。更に,そのピーク数,ピークの時間差,ピーク比から,放電空間内の電子なだれの挙動を推定し,放電メカニズムに則ってナノフィラーの電子捕獲の効果を考察した。従来のΦ-q-nパターン解析は,劣化様相との相関をみており,定量的な考察が少なかった。本研究により,絶縁劣化を放電特性から議論する上で,波形そのものが有する情報に基づいた定量的な評価が有効であることが示された。
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