研究課題/領域番号 |
20K04424
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
里 周二 法政大学, 理工学部, 教授 (10215759)
|
研究分担者 |
岡本 吉史 法政大学, 理工学部, 教授 (40415112)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 雷インパルス電圧波形パラメータ / IEC 60060-1:2010 / 補償回路を内蔵した雷インパルス電圧発生器 / 基礎曲線 / 伝達函数 / インパルスギェネレータ / 補償回路 / 大容量負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
現行のIEC 60060-1に定める雷インパルス波形パラメータ評価手法は「教科書にも書かれているような簡単な基本回路」で記述されるIGが発生する基本波形(二指数函数)を評価するためのものである。 大容量性負荷が繋がれた場合,回路に直列インダクタと補償回路を組み込まないと標準雷インパルス波形を発生することができない。この回路の発生する波形は最早,二指数函数では記述できないので現行のIEC 60060-1に記述されている波形評価方式は適用できない。 従来の二指数函数波形も処理可能でかつ補償回路内蔵のIGの発生する波形も正しく処理できる新しい基礎函数を提案し,改訂中のIEC 60060-1に取り込む。
|
研究実績の概要 |
雷インパルス電圧発生器に補償回路が組み込まれた場合の発生波形が現行のIEC 60060-1:2010に記載されたアルゴリズムでは1)正しい波形パラメータの評価ができないことを明らかにする,2)その原因を解明する,3)前項で明らかにした問題点を解決した新しいアルゴリズムを提案する,4)新しいアルゴリズムの有効性を確認する。以上の4点を研究課題として取り組んだ。具体的には4)では研究者らの使っている600kV雷インパルス電圧発生器に10nFの容量性負荷が繋がれた場合を想定し,対応する補償回路を組み込んだ等価回路の発生波形について検討した。 1)については,正しい波形パラメータ評価が行われると考えられる旧規格(IEC 60060-1:1989)で計算された波頭長に比べ,現行規格で計算された値は3.4%も大きなものとなり,研究者らの見通しが正しいことを確認することができた。2)については現行規格では基礎波形として二指数函数を用いるため,波形の開始時の傾きが0であることを忠実に記述できないことを明らかにした。3)については,出力波形の伝達函数(有理多項式)の分母が六次式で与えられ,二指数函数に対応する二次式と大幅に異なる。重畳振動を含みt=0における傾きが0となる四次の多項式(異なる負の2実根と実部が負である一組の共役複素数を根に持つ)を分母とする伝達函数に対応する波形を新しい基礎波形として使い,その他の手続きは現行規格に従うことの妥当性を明らかにした。4)に関しては,提案する基礎波形を用いた波形パラメータアルゴリズムの一部として使うことにより,計算された波頭長の値は旧規格で評価される値と0.2%以内で一致することを明らかにした。このことにより,研究者らの提案するアルゴリズムは現行規格の欠陥を解消するものであることを明らかにした。
|