研究課題/領域番号 |
20K04432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
古川 裕人 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (30238670)
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研究分担者 |
石田 弘樹 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (50413761)
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ワイヤレス給電 / 非エルミート系 / PT対称性 / 海中 / パリティ・時間対称性 / 磁界共鳴 / ロバスト性 / 負性抵抗 / 磁界共振結合 |
研究開始時の研究の概要 |
自律型無人潜水機(AUV)等の海上あるいは海中のワイヤレス給電(WPT)は,海水の高い導電率による電力損失の増加や,潮流の変化による伝送カプラ間の距離の変動と相対的な位置ずれによる伝送効率と出力電力の低下が課題である.このような問題点は高いロバスト性の実現によって解決できるが,伝送カプラ間の距離の変動に対して,出力電力と伝送空間の損失を同時に安定化させる制御手法は未だ提案されていない.本研究では,従来の手法とは観点の異なるパリティ・時間(PT)対称性の原理と申請者が提案する低周波ワイヤレス給電を融合させた新しい無線電力給電システムの実現を目指す.
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研究成果の概要 |
海中環境下でのワイヤレス給電(WPT)を実現するため、コイルの位置変動に対する高いロバスト性、および海水での低い電力損失を両立させたWPTシステムの構築を行った。低周波帯においてパリティ・時間反転(PT)対称性を保存させることが開発の方針である。 はじめに、PT対称性の臨界結合レートを共振回路の回路定数により表現し、低周波においてPT対称性を保存させるための回路定数の条件を見出した。続いて、電磁界シミュレータにより高いロバスト性をもつコイルの最適な設計を行った。最終的に試作したWPTシステムを用いてコイル位置ずれの許容範囲、海水での電力損失ともに、当初の目標性能を達成したことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海中環境下でのワイヤレス給電は、自律型無人潜水機の自動充電につながる技術であり、海洋資源調査などに貢献することができる。本研究課題を学術的な観点からみると、パリティ・時間反転(PT)対称性を利用したワイヤレス給電システムを低周波領域で実現させる課題であると言える。本研究では結合モード理論解析から低周波領域でPT対称性を保存させるための回路定数の条件を見出した。また、実機を作製し実験からもそれらの条件が正しいことを確認した。本研究成果は、海中に限らず、伝送空間に損失媒体がある場合のワイヤレス給電にとって有用な知見である。
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