研究課題/領域番号 |
20K04456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
綾野 秀樹 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50614525)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | リアクトル / 寄生容量 / 高周波 / シミュレーション / 電力変換器 / コアカバー / 空芯コイル / 高周波数用リアクトル / 巻線実装 / 空芯リアクトル / 電流リプル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,数十W~数十kWの電力変換装置において,ギガヘルツ帯の高周波数で使用できるリアクトルの巻線実装技術を構築し,電力変換装置の小型軽量化や制御の高性能化を実現して環境負荷軽減に貢献することを目的とする。特に,リアクトルの巻線方法と寄生容量の関係を理論的に明らかにした上で,電磁界シミュレーションにより空間的な実装形態の最適化を検討する。さらに,提案する巻線実装技術を用いたリアクトルを試作し,インピーダンス特性を評価することで有効性を実証する。また,鉄心の磁気特性に依存しない空芯コイルに提案手法を展開し,インダクタンスとして見なせる周波数帯域をより高周波数化したリアクトルを試作・検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では,電力変換装置に使用するリアクトルを対象にメガヘルツ帯の高周波数で使用できるリアクトルに関する実装技術を確立した。シミュレーションと実測により詳細な評価を実施し,次の成果を得た。(1)巻線部分の特性を評価するために,空芯コイルに対して評価を実施した結果,巻線間寄生容量は巻数を増加させてもほぼ一定になることを明らかにした。(2)分割巻きリアクトル構造に対して,3Dプリンタで作成したコアカバーを使用して巻線-コア間の寄生容量の影響を小さくする方法を提案した。(3)提案リアクトルを実測評価した結果,従来よりも寄生容量を約1/4にでき,リアクトル特性を有する周波数範囲を2倍に増加できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,電力変換装置において高周波数で使用できるリアクトルを提案した。提案リアクトルにより電力変換装置の駆動周波数の限界点を高くできるため,装置内で比較的占有容積の大きいリアクトルに対して小型軽量化を実現できる。また,この研究では,コアカバーを使用してリアクトル巻線の空間的な実装形態を工夫し,リアクトルの寄生容量成分を低減させている。これにより,リアクトルの高周波特性を向上できることについて理論的・実験的に実証した点は学術的独自性ある。さらに,本研究は,電力変換装置技術の発展(次世代半導体素子の潜在的能力の有効利用,産業製品に適用した場合の環境負荷軽減)に寄与できる点で工学的に意義がある。
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