研究課題/領域番号 |
20K04477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
吉澤 真吾 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20447080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 水中音響通信 / ビームフォーミング / 到来方向推定 / レトロディレクティブ |
研究開始時の研究の概要 |
水中音響通信で安定した遠距離データ伝送を実現するためのレトロディレクティブ方式送信ビームフォーミングの実験検証を行う。レトロディレクティブ方式はお互いの端末で信号の到来方向を推定し、その到来方向に向けて送波の指向制御を行う方式である。送波エネルギーを指向性制御により効率的に伝送し、遠距離でも安定した通信を可能とすることが期待できる。送信信号の帯域幅・指向範囲を狭帯域・広角から広帯域・挟角へと段階的に変化させながらの指向制御を行い、端末移動や音波伝搬変動にも対応できるように工夫する。プールや海域での通信実験を行い、提案方式の有効性を確認する。
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研究成果の概要 |
水中無線通信は遠隔操作無人探査機(ROV)や自律型無人潜水機(AUV)の遠隔操作や画像・動画データのリアルタイム伝送に利用される。水中音響通信でビームフォーミングを実現する上での課題として端末位置変動があり、送信側端末から受信側端末に音波が届くまでに秒単位を要し、通信中にお互いの端末位置が変動することを想定しなければならない。端末位置変動に対応する手法として、相手端末から発する音波に対して到来方向推定を行い、その逆向きに送信指向制御を行うレトロディレクティブ方式を検討し、その実験検証を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水中音響通信での受信ビームフォーミングは通信を安定化する手段として利用され、送信ビームフォーミングは通信伝送範囲を拡大する手段として用いられる。水中音響通信で送信ビームフォーミングの実験検証を行った研究事例は少なく、端末位置変動に対応した手法は検討されていなかった。本研究ではレトロディレクティブ方式の通信性能評価を海域試験や水槽試験で実施し、通信品質を示すOutput SNR値で平均12dB改善する成果が得られた。この成果は水中音響通信の伝送範囲を拡大するのに有効であり、水中ロボットや水中ドローンの機能高度化に寄与するものを考えられる。
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