研究課題/領域番号 |
20K04482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
茂呂 征一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (00303363)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 結合発振器 / 同期現象 / 多相同期 / 位相雑音 / 非線形振動論 / インパルス感度関数 / ポアンカレ写像 / パラメータ推定 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,多相信号出力が得られる発振器を用いる位相同期ループの局部発振器が高いデータレートを実現できるなど,非常に有用であることが報告されている.本研究ではVLSIへの実装と情報通信機器の局部発振器への応用を念頭に置いて提案された高周波かつ多相同期を発生させるCMOS LC発振器をスパイラルインダクタの相互インダクタンスを用いて環状に結合したシステムの位相雑音の新たな解析法および改善法を検討する.具体的には提案システムを非線形ダイナミカルシステムととらえ,従来よりも精度の高い解析手法を提案し,さらにその解析手法に基づいて低位相雑音を実現する多相同期発振器の最適なパラメータや回路構造を検討する.
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研究成果の概要 |
本研究では,多相同期CMOS LC発振器の位相雑音の低減を,非線形振動論の手法を用いて実現することを目指した.ハールウェーブレット変換を用いて非線形回路の定常周期解を数値的に解析する手法を提案し,回路素子のばらつきなどを考慮した発振器の周期波形を計算することが可能となった.また,逆問題として,波形から回路パラメータを推定する手法も開発し,回路設計に活かせるようになった.非線形振動論を用いた手法として,インパルス感度関数やポアンカレ写像を用いてリミットサイクルと位相雑音の関係を調査することで,位相雑音の低減を実現する回路設計が可能となり,回路シミュレーションによってその有効性を示すことができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案した多相同期CMOS LC発振回路は,高周波で動作する情報通信機器内部において,発振周波数を高くすることなく時間分解能を向上させることが期待でき,発振器単体の周波数が数GHzで頭打ちとなる中で,より高性能な機器の開発に寄与できるものと期待できる.また,発振現象や同期現象は非線形問題における代表的な現象であり,これらの理論を用いることは非線形科学の発展や,社会的意義の向上にも大きな役割を果たすものであり,本研究で得られた成果は学術的,社会的に大きな意義を持つものであると考えられる.
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