研究課題/領域番号 |
20K04505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
高木 晋作 東京都市大学, 理工学部, 講師 (70386358)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 動的光散乱 / 二重ロックイン検波 / 多重散乱 / 光強度変調 / Davidson-Cole関数 / ソフトマター / 二重ロックイン検出 / コロイド |
研究開始時の研究の概要 |
白濁した試料中の粒子の運動を動的光散乱法で研究しようとすると、光が多重散乱されるため、測定結果(スペクトル)が歪んでしまう弊害があった。研究者が開発した新しい測定法は、多重散乱が強く起こる白濁試料に対しても多重散乱成分を完全に排除した分光が可能であるが、白濁試料中の粒子運動を調べるのに必要な低周波数領域では、より高い周波数分解能を必要とした。そこで、本研究では二重ロックイン検出を用いた測定法の高分解能化および低周波数領域への拡張を図る。
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研究実績の概要 |
白濁した試料中の粒子の運動を動的光散乱法で研究しようとすると、光が多重散乱されるため、測定結果(スペクトル)が歪んでしまう弊害があった。われわれが開発した新しい測定法は、多重散乱が強く起こる白濁試料に対しても多重散乱成分を完全に排除した分光が可能であるが、白濁試料中の粒子運動を調べるのに必要な低周波数領域では、より高い周波数分解能を必要とした。そこで、本研究では二重ロックイン検出を用いた測定法の高分解能化および低周波数領域への拡張を図った。 本研究に必須のレーザー光源が不調であったため、当該年度の大半で実験ができずにいたが、その間、二重ロックイン検出法の理論の構築を進めるとともに、これまでの測定結果をCole-Coleプロットで解析した。 このCole-Coleプロットによるこれまでの測定結果の解析を進める過程で、界面活性剤水溶液のつくるミセル粒子の散乱スペクトルの形状が、単分散コロイド懸濁液の散乱スペクトルと比較して歪んでいることが見いだされた。さらなる解析から、誘電緩和分光において緩和時間に分布がある系でみられるDavidson-Cole型の現象論的フィッティング関数と類似の関数を仮定することでより精確な評価が可能であることがわかった。これまでDavidson-Cole型フィッティング関数は波数依存性を示さないと考えられてきたが、本研究により「波数依存型Davidoson-Cole関数」が初めて提唱されることになる。ただし、Davidson-Cole関数による評価に対しても、低周波数領域のデータ点数不足が課題である。この解決には本研究の高分解能化が必須であり、レーザー光源が新調されたため残りの期間で精力的に研究を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究でもっとも重要な実験装置である連続発振レーザー光源が、一昨年度からレーザー発振が不安定になる不調を示すようになった。昨年2月末には代理店に不調の対応策を問い合わせて一時的な処置を取ってみたが、状況はかえって悪化し、発振にたびたび失敗するようになった。そのため昨年6月に、代理店によるレーザー光源の不具合調査を行ったところ、レーザーヘッドに問題があり、ヘッドの交換または光源自体の買い替えが必要になった。 新たな光源を調達するにあたり、同じ組織内の複数の科研費採択テーマで効率よく共用ができるよう、共通資産化の仕組みを取り入れることとしたため、複数テーマ間での調整が必要になり、ようやく昨年10月に発注に至り、世界的な半導体不足の影響を受けながらも2023年2月に納品された。およそ1年以上にわたって実験が滞らざるを得なかったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の到達目標である1Hzを切る分解能による複素スペクトルの実測を試みる。 実測に用いるポリスチレンラテックスのコロイド溶液は複数の粒径の試料を既に購入済みである。本研究の推進にはレーザー光源が必須であり、これまで不調であったレーザー光源に代わる新たな光源を、本補助金および複数の科研費補助金による実験装置の共用資産化の仕組みで2023年2月に調達することができた。 そこで、まずは数Hzオーダーの分解能による複素スペクトルの実測を試み、光学系や信号処理系の改良を重ねつつ分解能の向上を狙う。
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