研究課題/領域番号 |
20K04511
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小林 慶太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (40556908)
|
研究分担者 |
木津 良祐 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (40760294)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 透過電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / ナノメトロロジー / 倍率校正 / シリコン / 試料調製 / 測長 / 不確かさ / 試料加工 / SIトレーサビリティー |
研究開始時の研究の概要 |
サブnmの領域に至る極微サイズの測長に国際整合性を持たせるため、透過電子顕微鏡ならびに走査透過電子顕微鏡(併せてS/TEMと略記)による国際単位系(SI)にトレーサブルな極微測長技術の確立を目指す。S/TEMはサブnmオーダーを超える分解能を有するが、測長のSIトレーサビリティは確保されていない。そこでケイ素(Si)結晶試料の同一箇所を測長原子間力顕微鏡(AFM)とS/TEMでそれぞれ測長し、測長AFMのもつSIトレーサビリティをS/TEMの測長結果につなぐ。これによりS/TEMでSiの格子面間隔をSIトレーサブルに測長して、これを極微サイズの物差しとするSIトレーサブルな測長技術を確立する。
|
研究成果の概要 |
1. 撮像条件を変化させて取得したTEM像のSi格子面間隔の比較から、TEM測長における不確かさの主要な要因が、倍率の経時変動、レンズの磁気履歴ならびに歪曲であることを明らかにした。 2. TEM観察に適するよう薄膜加工したSiの格子面間隔は加工条件あるいは試料の観察部位により変動することを明らかとし、Siの格子面間隔距離をTEM測長の物差しとする際は注意を要することを示唆した。 3. 測長AFMとTEMによる比較測長を可能とするSi単結晶からなる標準物質を試作した。今後これを用いて測長AFMにより得たSIトレーサブルな測長値をTEM像中に導入し、TEMによるSIトレーサブルな測長を実現する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サブナノメートルオーダの測長は今後の半導体プロセスルールの微細化にともない産業基盤として重要性を増すと考えられる。本研究はこのような極微スケールで利用されるTEMによる測長の結果が国際的な整合性の観点から未だ不完全であることを実験的に指摘し、国際単位系(SI)の長さの定義にトレーサブルな測長を実現するため、TEMと測長AFMとの比較測長を試みた。研究期間内に比較測長までは至れなかったがこれを行うための基盤の構築を達成した。今後研究を発展させることでサブナノメートルの測長に対する国際的整合性の確保の実現が期待できる。
|