研究課題/領域番号 |
20K04522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 八戸工業大学 |
研究代表者 |
柴田 幸司 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (50382586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 誘電率測定 / インピーダンス測定 / 同軸線路 / 導波管 / マイクロ波 / 高周波 / 電解質溶液 / 複素誘電率 / 液体 / S11 / インピーダンス / 校正 / 入力インピーダンス / マイクロ波化学 / Sパラメータ / 高周波インピーダンス / モード整合法 / 高周波計測 |
研究開始時の研究の概要 |
物質への電磁波の照射による新物質の創生技術が着目される。この手法は目的の材料(分子)のみを選択し加熱できる。電磁波で物体を加熱することで新規物質を合成する技術分野はマイクロ波化学と呼ばれ、アスピリンなどの薬品やエタノールなどバイオ燃料などの効率的な合成例が報告されている。
本研究では、電磁波による物体加熱時に溶媒となる、少量の液体の複素誘電率を迅速、簡便かつ広い周波数帯域で推定可能な遮断円筒導波管反射法のJIS国家標準およびIEC国際標準への登録を目指す。
その為、従来の治具を改良することで事前の治具の校正法を改善しつつ不確かさを確認し、温度変化も含め提案手法による液体の誘電率の測定法を確立する。
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研究実績の概要 |
同軸給電の遮断円筒導波管を用いた液体の複素誘電率測定法に対し、固体との比較による基準物質として液体を用いない液体の複素誘電率の推定法を提案した。そして、作成した複数個の治具とセラミック円筒を組み合わせて提案手法にて50-1000MHzの周波数範囲にて各種液体の複素誘電率を推定し、測定結果のばらつきも含めた本手法の有効性を示した。 また、上記構造の治具を用いた液体の複素誘電率の推定に対して、short終端を用いない容量法を適用する手順を提案し、従来のshort、openおよび基準物質との比較による推定結果との比較から、本手法の有効性を示した。 更に、当該治具に対して集中定数の等価回路に基づく推定公式とサンプリング・オシロスコープを適用するTDR(タイムドメイン)での各種液体の複素誘電率の推定を行い、15-1000MHzの周波数範囲で提案手法の有効性を示した。 そして、遮断円筒導波管反射法により電解質溶液の一例として塩水の複素誘電率の測定を行い、特に100MHz以下の低周波では周波数の変化に対して複素誘電率の虚部が直線的に変化する周波数特性を把握した。 更に、同軸線路部分にも試料を充填する同軸線路反射法による電解質溶液(塩水)の誘電率測定を行い、遮断円筒導波管反射法で推定した複素誘電率との特に100MHz以下の低周波帯での差異を確認した。 また、各種液体の複素誘電率の推定値の他手法による結果との比較を目的とし、同軸プローブ遮断円筒導波管反射法にて誘電率の推定時にモーメント法の数値解析結果と比較した場合の推定値と比較して、提案手法の有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、同軸給電の遮断円筒導波管を用いた液体の複素誘電率の推定に対して、固体との比較による基準物質として液体を用いない液体の複素誘電率の推定法の提案、short終端を用いない容量法を適用する手順の提案、当該治具に対して、集中定数の等価回路に基づく推定公式を適用するTDR(タイムドメイン)での各種液体の複素誘電率の推定、電解質溶液の一例として塩水の複素誘電率の測定を行い、特に100MHz以下の低周波帯における複素誘電率の周波数特性を把握、同軸線路部分にも試料を充填する同軸線路反射法による電解質溶液(塩水)の誘電率測定を行い、遮断円筒導波管反射法で推定した複素誘電率との特に100MHz以下の低周波帯での差異を確認し、いずれも良好な結果を得た。 従い、遮断円筒導波管反射法による液体の複素誘電率の測定法の発展に寄与できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、低周波帯での電解質溶液の複素誘電率の精密測定測定法を確立するため、タイムドメインリフレクトメータを用いたTDR法や、高周波帯における生体組織の複素誘電率の測定に用いられる4端子法に基づく誘電率測定法による結果等の比較により、測定理論や測定精度の改善を目指す。そして、特に導電率の高い試料に対する低周波帯での誘電率測定法の確立を目指す。 また、遮断円筒導波管反射法による液体の測定法に対しては、事前の治具の入力インピーダンスの校正に対して、基準物質(液体)を用いない手法の確立を目指す。更に、複素誘電率の推定時にも基準物質を用いない絶対測定法の確立を目指す。
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