研究課題/領域番号 |
20K04536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 博 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (70274561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非線形システム / 結合ダイナミクス / 非対称性 / 安定論 / ロバスト性 / 感染症制御 / 制御工学 / 感染症ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
電気電子・機械・生物・プラント等のあらゆるダイナミクスの安全な効果的運用には、構成モジュールのゲインが持つ閾値までの余裕が鍵となってきた。異なる現象やスケールの物事が結合される場合には、ゲインによる画一的判断は大きく保守的、あるいは、不可能となるため、最近、ゲインが値から関数へ拡張され、局所なゲイン関数から大域的解析・設計を可能にする非線形小ゲイン定理が開発された。しかし、IoT社会で取り組む多様で大規なシステム結合には、判定結果が否定的となることが多い。本研究は,非線形小ゲイン理論から対称性を排除し、保存変換という基盤手順も取り除き、符号込みでダイナミクスを合成する運用・設計の数理を築く。
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研究成果の概要 |
電気電子・機械から生科学、人間と生物の社会まで、あらゆるダイナミクスの安全で効果的な設計と運用では、モジュールのゲインが持つ閾値までの余裕が指標とされてきた。設計数理の最先端では、異なる質やスケールの現象が相互作用するとゲインによる画一的判断は大きく保守的、あるいは、不能となることが明らかにされ、ゲインが値から関数へ拡張されていた。しかし、それでもまだ対処できないダイナミクスが多いことに本研究は注目した。非線形ゲイン理論から対称性を除き、対称を前提とした保存変換を止め、符号込みでダイナミクスを合成する革新的方法論を構築した。その有効性を感染症のワクチン、隔離、外出規制による制御設計で例証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
未解決のダイナミクスの数理基盤を開発したことから、適用対象となる科学技術範囲は予想できないほど広い。本研究の計画段階から生物システムからの着想や応用も意識していたが、助成金開始と同時に深刻化したコロナ感染症の未解決数理に、直球で立ち向かう道を提供したように、今後も産業から環境、社会まで幅広いダイナミクスの運用と設計の発展に鍵を与え続けることは間違いない。また、本研究者の本課題成果という限定宣伝ではなく、システム制御理論が科学技術に貢献する力と、その大切さを、世界一の論文誌や国際会議での発表を通して提示できたことも大切であった。一部はシンポジウム論文賞などで分野に残ったことの社会的意義も大きい。
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