研究課題/領域番号 |
20K04540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
木許 雅則 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (80315126)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アクティブノイズコントローラ / パラメトリックスピーカ / 多チャネル制御 / 二次経路変動 / アクティブノイズコントロール |
研究開始時の研究の概要 |
アクティブノイズコントロールは,騒音と同振幅逆位相の制御音を干渉させることで騒音を消去する技術である。既存手法の多くは消音点で有効な消音量が得られるものの,非制御地点では音波の拡散により騒音と制御音が同相で干渉し,騒音の増大が生じる。本研究では,この問題に対して指向性の極めて高いパラメトリックスピーカを用いたシステムの開発を行う。多チャネルのそれから制御音を直線的に消音点へ送出し,それらの合成音で騒音を打ち消すことで,各チャネルの音圧は低く,かつ伝搬の直進性から非制御点への影響が軽減できる。また,音波の直進性から二次経路が簡易なモデルで推定でき,環境変化に対しても強靱なシステムが実現できる。
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研究成果の概要 |
ANCは騒音と同振幅逆位相の制御音を生成し,能動的に騒音を消去する技術である。従来法の多くは消音制御点で有効な消音量が得られるが,非制御地点では同位相の音の干渉が生じて騒音が増大する。また,スピーカと消音制御点間の伝搬経路(二次経路)が変化する環境では消音動作が不安定となる等,一般的な屋内環境での利用は困難である。本研究では多チャネルの超指向性スピーカを用いたANCシステムの開発を行い,これらの問題の解決を行った。スピーカの特性を活かした非制御地点での音圧増加の抑制,二次経路の簡易推定法及びチャネル間音圧制御法の構築により,屋内環境の変化に対しても安定した消音が実現可能なことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存のANCは,特定の環境や様々な制約条件下に動作が限定されるため,公共施設やオフィス,一般家屋など,一般の人々が利用する環境への適用には至っていない。既存研究では一般的なスピーカを用いたシステムの他に超指向性スピーカを用いた先行研究が数種あるが,それらは単チャネルでの基礎研究が多く,実環境への適用には様々な課題が残る。本研究では超指向性スピーカを用いた多チャネル系を構築することで,既存ANCの問題点である非制御点での騒音増大及び二次経路変動によるシステムの不安定化を効果的に解決した。実用化には幾つかの解決すべき項目が残るものの,使用環境の制約が少ない一般性を持つ騒音除去システムを実現した。
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