研究課題/領域番号 |
20K04556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
牛田 俊 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30343114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 風力発電 / ウィンドファーム / フォーメーション制御 / 洋上風力発電 / システム同定 |
研究開始時の研究の概要 |
原発によるエネルギーの安定供給が見通せない中,風力発電システムの実運用が期待されている.特に,海に囲まれた日本の国土を生かした大規模洋上風力発電システム「ウィンドファーム」の導入が進められている.本研究では,複数の浮体式洋上風力発電システムからなるウィンドファームの複合シミュレータを構築し,フォーメーション制御系設計用シミュレータとしての利用可能性を検証する.
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研究実績の概要 |
研究代表者の既存の研究成果を活かして「実機データに基づいた風車単体の数理モデルを獲得」し,複数の風車を複合した「大規模ウィンドファームの解析用シミュレータを実現」するために研究を実施してきたが,シミュレータの構築で一定の成果が得られたことから,「シミュレータを用いた風車の数理モデルの獲得」に軌道修正しつつ,以下の研究計画に基づいてウィンドファームに対する制御系設計を行う予定である. 研究課題立ち上げとなった2年目の2021年度では,前年度同様コロナ禍により所属機関の出張が全面自粛となっていたため,シミュレータ構築のための環境整備を行うことになった.3年目の2022年度は,構成したシミュレータから風車の数理モデルを得るための必要十分な入出力データが得られることを確認した.この成果により,風車のシミュレータ環境を用いて数理モデルを獲得するためのシステム同定手法を検討段階に入ったと言える.これらの結果と関連するシミュレータに関する研究成果をオンラインで行われた学会で情報発信を行った. 前年度に引き続き,文献調査に基づく情報収集を行った.実際にシステム同定を行う際には,過去の風車のモデリングに関する知見が役に立つと思われる.今後は,風車のシミュレータから得られる大規模データを活用したシステム同定に基づくモデル化を行い,単体の風車では計算負荷の小さいシンプルな構造をもつ複合的なシミュレータを開発する等の検討に入っている段階である.以上の結果に基づいて,ウィンドファームの数理モデルおよびシミュレータを実現し,フォーメーション制御系設計用シミュレータとしての利用可能性を検証することを目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による所属機関の出張の制限も解除されたものの海外への出張には,幾つかの制限があったため,前年度の引き続き,研究室内においてシミュレータによる入出力データの採取を行った.予定の変更はあったものの,文献調査に基づく基礎的な情報収取は順調に進んでおり,今後の方針を定め次の段階へ進むための3年目の活動もおおむね順調に進展した.
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今後の研究の推進方策 |
今までのコロナ禍の影響により,研究室内での風車の数理モデルおよびシミュレータの稼働に力を注いできたが,良好な入出力データが入手でき予想以上の成果が上がっている. 当初の実機による実験を行う方針から軌道修正し,今後は複数の風車を複合した「大規模ウィンドファームの解析用シミュレータを実現」のために,異なる計算機の処理系を導入することを試み実現されつつある.このとき,本研究で目指すウィンドファームの解析と制御器実装のためには,単体風車のシミュレータに可能な限りシンプルな構造をもたせることがキーとなるポイントであることに変わりはない.
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