研究課題/領域番号 |
20K04564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
永田 肇 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70339117)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 非鉛圧電セラミックス / チタン酸ビスマスナトリウム / 脱分極温度 / 急冷処理 / 非鉛強誘電体セラミックス / 菱面晶 / 結晶構造解析 / クエンチ |
研究開始時の研究の概要 |
環境にやししい非鉛系圧電セラミックスの候補として注目されているチタン酸ビスマスナトリウム系セラミックスは、圧電性の消失する温度が100~200℃と低いことから実用化に向けて課題を有している。我々はこれまでに、セラミックスを急冷して作製することにより動作温度範囲を広げることが出来ることを実験的に明らかにしてきた。しかしながらそのメカニズムが明らかになっていなかった。そこで本研究では、材料の結晶構造や内部構造を詳細に分析することによりそのメカニズム解明を行う。さらに、メカニズム解明を通じて、優れた圧電性と広い動作温度範囲を併せもつ材料設計指針を得る。
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研究成果の概要 |
チタン酸ビスマスナトリウム (BNT)系セラミックスは、比較的良好な圧電特性を示すことから環境にやさしい非鉛圧電材料の候補材料として注目されている。しかしながら、圧電性が消失する脱分極温度Tdが100~200℃程度と低く、応用上の大きな足かせとなっている。我々は、BNT系セラミックスを焼成後に1000℃程度から急冷(クエンチ)して作製することにより、優れた圧電性を損なうことなく従来のTdより50~80℃程度上昇させられることを実験的に見出した。また、そのメカニズムとして、クエンチ処理による結晶相(菱面晶)の構造歪みが増加することやドメインサイズの増大と強く関連していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果で提案するクエンチ処理は、BNT系セラミックスのTd高温化に寄与するだけでなく、ハイパワー圧電特性(超音波性能)を維持する結果を示した。すなわち、本成果はBNT系セラミックスを環境にやさしい非鉛圧電材料として、超音波応用デバイスへの実用化していく点において、大きく前進させたものと考えられる。また、構造歪みの増大やドメインサイズの増大はビスマス系ペロブスカイト型強誘電体セラミックスの相転移制御において新たな学術的コンセプトを与えたものと考えられる。
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