研究課題/領域番号 |
20K04572
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
|
研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
森武 洋 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (90531799)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 液晶 / 可変移相器 / テラヘルツ波 / ミリ波 / 配向マイクロファイバー / フェーズドアレイアンテナ / 非放射性誘電体線路 / NRDガイド / マイクロファイバー / 移相器 / フェーズドアレーアンテナ / ネマティック液晶 / テラヘルツ波移相器 / エレクトロスピニング法 / 配向ナノファイバー / エレクトロスピニング |
研究開始時の研究の概要 |
無線通信の高速化に伴って100 GHzを超えるテラヘルツ波の利用が注目されている。本研究では、液晶の誘電率異方性を利用した移相器に注目し、テラヘルツ波の導波路としてNRDガイドを利用し、移相器に使用する液晶としてエレクトロスピニング法により作製した配向ナノファイバーに液晶を充填したネマティック液晶・高分子複合素子の利用を提案する。その際、使用するテラヘルツ波領域における損失の少ない材料を選定するとともに、選定した材料の液晶の配向特性の評価を行い、デバイスとして使用可能な応答性を有し、低損失な導波路型液晶装荷テラヘルツ波移相器を実現し、それを用いたフェーズドアレーアンテナを実現する。
|
研究成果の概要 |
NRDガイド型移相器に液晶を使用する際の応答時間を改善するため、配向マイクロファイバーと液晶の複合素子を用いた。電界紡糸法によりマイクロファイバーを作製する際に溶液濃度を高くすることにより、ファイバー径を太くすることが可能となり、ファイバー径を太くすることにより閾値電圧の増加を抑え液晶単体に近い誘電異方性を保ちながら、電圧を除去した複合素子の立下り応答時間を300 ms以下に抑えることを実現した。 この複合素子を用いて、100 GHzで動作する4素子フェーズドアレイアンテナを作製した。作製したアンテナは最大±41度の走査角を有し、走査角の切替応答時間が250 msであることを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液晶を配向マイクロファイバーと複合化することにより、厚い液晶層を必要とする応用時に問題となる電圧を除去した際の応答時間の改善を明らかにでき、液晶応用の新たな可能性を開いた。また、液晶を用いた100 GHz帯の可変移相器を実現し、この移相器を用いたフェーズドアレイアンテナを実際に作製し、電波の放射方向を操作できることを明らかにした。この成果は今後通信への応用が期待されるテラヘルツ波の利用に必要な技術の実現の可能性を示すものである。
|