研究課題/領域番号 |
20K04577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
阪東 一毅 静岡大学, 理学部, 准教授 (50344867)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 有機結晶 / 自己組織化 / リング共振器 / ウィスパリングギャラリーモード / Q値 / フーリエ分光 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、有機半導体微小共振器の光学応答に注目が集まっており、ファブリーペロー共振器だけでなくウィスパリングギャラリーモード(WGM)が現れる微小球やリング共振器などの報告が多数出てきた。研究代表者はこれまで有機リング結晶が自己組織的に形成しリング共振器として機能することを見出した。このWGMは自然放射光によるものであり、有機結晶系の中ではトップとなる極めて高いQ値(~2000)を示す。一方で高Q値のために精密なQ値見積もり困難となっている。このため本研究では波長分解能以下のWGM線幅とそのスペクトル形状をフーリエ分光法を用いて再現することで精密なQ値の取得を試み、共振器損失の詳細を明らかにする。
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研究成果の概要 |
これまで自己組織的に形成する有機リング結晶がウィスパリングギャラリーモード(WGM)共振器として振る舞い、その共振器Q値が2000程度となることを示してきた。しかしスペクトル線幅が細いため一般の分光器では分解能に限界があったため、フーリエ分光でスペクトル形状を明らかにする試みを行った。実際に、発光をフーリエ分光することによって得られたスペクトル形状は計測に用いた分光器分解能を超える狭線幅を持つことが明らかとなった。さらに複数のWGMピークについて、よりQ値の高いピークほど通常の発光スペクトルから見積もられたQ値より大きくなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体微小共振器は基礎科学的興味にとどまらず、発光量子効率向上、センサー応用、レーザー発振性能の向上など、様々な実用上の課題にも大きく貢献することが期待されてきた。特に有機材料系は素材自身の特徴など多様な点で実用化に期待が集まっている。これらのデバイスでは共振器の性能が重要であり、そのQ値の把握・制御がデバイス実現への本質的課題である。本研究で得られた有機結晶リング共振器は極めて高い共振器Q値を有しており、そのQ値を精密に見積もることは極めて重要である。分光器分解能を超える線幅の共振器モードについて、フーリエ分光という手法を用いて効率的かつ精密にQ値が得られたことは極めて重要であると言える。
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