研究課題/領域番号 |
20K04585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
|
研究機関 | 徳山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
室谷 英彰 徳山工業高等専門学校, 情報電子工学科, 教授 (20612906)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 窒化物半導体 / 励起子 / 誘導放出 / レーザー発振 / 内部量子効率 / AlGaN / レーザー / 深紫外 / レート方程式 / 励起子効果 / 励起子多体効果 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体中において,電子と正孔はクーロン相互作用によって互いに束縛された励起子状態を形成する。また,励起子の密度が高くなると励起子分子の形成や励起子-励起子散乱といった複数の励起子が関与した励起子多体効果が顕著となる。励起子の発光遷移過程や励起子多体効果に基づく発光遷移過程は,高い遷移確率を有していることや、光学利得が期待できるため、これらの過程を利用することでデバイス性能の向上が見込まれる。本研究の目的は,窒化物半導体において励起子効果に基づいた発光過程を動作原理とした発光デバイスの実現に向けたデバイス構造の設計指針を示すことである。
|
研究成果の概要 |
本研究では、窒化物半導体量子井戸構造において励起子効果を利用した発光デバイスの実現可能性を検討するために、励起子光物性評価を行った。AlGaN系量子井戸構造において内部量子効率の温度および励起パワー密度依存性を測定した。得られた内部量子効率の励起密度依存性は励起子の再結合過程に基づいた速度方程式モデルによって説明できることが分かった。このことは、AlGaN系量子井戸構造において発光機構に励起子の光学遷移過程が関与していることを示している。さらに、AlGaN系量子井戸構造において、室温において励起子の光学遷移過程が関与した誘導放出が発現することを示し、光励起によるレーザー発振を観測した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体においてキャリア(電子と正孔)が励起されると,電子と正孔はクーロン相互作用によって互いに束縛された励起子状態となる。励起子の発光過程や励起子多体効果に基づく光学遷移過程は,高い遷移確率を有していることや、光学利得の生成が期待できるため、この過程を利用することで発光デバイスの性能向上が見込まれる。室温においても励起子が安定に存在し得る半導体材料として、窒化物系半導体があげられる。窒化物半導体は赤外線領域から深紫外線領域で発光可能な材料であり、窒化物半導体によって励起子効果を利用した発光デバイスを実現することで、発光デバイスの性能を著しく向上させることができると期待される。
|