研究課題/領域番号 |
20K04603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
礒田 隆聡 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70284544)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | MEMS / DNA / 抗体 / 素子 / 集積 / DNA類似体 / 並列計算 / DNAコンピュータ / 集積回路 / デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
現在のCPUは1つの計算を高速に無限回数繰り返して解を求めるシリアル方式である。一方一度に無秩序の組合せを求め、その中から解を特定する並列計算がある。例えば指定条件のルートを通る経路の特定などである。DNAを用いる並列計算とは塩基配列の異なるDNA断片を経路に見立てこれらを実験的手法で無作為に反応させ、その組合せの中から最適解(経路)を特定する。本研究はこのような煩雑な操作をこれまで開発した技術を転用して有機デバイスとして実現できないかと着想した。現在、DNA計算実験の全自動ロボットの開発例があるが、DNA類似体を集積化した開発例はない。煩雑な並列計算工程を素子化するための基盤技術となり得る。
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研究成果の概要 |
本研究では塩基配列の異なるDNAを16bit(約6.6×10^4ヶ)番地配列した集積電極を、精度の高い並列計算素子として機能させることを目標にした。そのためには人工的に分子設計されたDNA類似体を、演算子として電子回路中で再現性よく動作させる要素技術の確立が必要である。そこで樹脂基板上にDNA類似体を集積させる番地を4.5bit(約25ヶ)配列した集積電極対の作製と、この電極群の信号を連続的に切り替えて自動計測できるシリアル測定方式の計測デバイスを開発した。次に塩基配列を電気信号で検出するため、DNAと同様に複合体の形成機能を持つ抗体分子を用いてこれを電極上に集積化し、検出する技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のCPUの演算は、1つの計算を高速に無限回数繰り返して解を求める行うシリアル方式である。これに対し一度に無秩序の組合せを計算し、その中から解を特定するパラレル方式がある。本研究はこれを無作為に結合したDNAから、正解の塩基配列を持つDNAを検出する生物デバイスに置き換え、これを1チップ化することを目標としている。生物は膨大なDNA塩基配列から必要箇所を正確にコピーし、遺伝情報を伝達している。このような生物の仕組みを模倣しつつ、DNAよりはるかに多彩な認識能を持つ抗体分子で集積回路を構築できれば、塩基配列を再現よく検出する方法に道が開け、DNA並列計算素子実現の大きな一歩となる。
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