研究課題/領域番号 |
20K04604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
小池 崇文 法政大学, 情報科学部, 教授 (30530399)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 空中像 / 視点推定 / 3D映像 / ライトフィールド / 画質評価 / 視点検出 / 主観評価 / 空中ディスプレイ / 再帰反射型コーナーリフレクタアレイ / 光学設計 / 空中線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,SF映画中に登場するような大画面空中映像の実現である.そのために,コーナーリフレクタアレイを用いたライトフィールドの再生による,5メートル程度の長飛び出し距離を持ち,対角40インチ程度の画面サイズを持つ大画面空中立体映像表示技術の確立を目指す. 従来の空中映像技術は,透過型の実像光学系を用いることが多いが,実像光学系による空中像は,その光学系の性能に空中像の画質や飛び出し距離が大きく依存するため,大画面化や長飛び出し距離化に課題があったが,提案光学デバイスとソフトウェアを用いた画像処理により,それらの課題の解決を目指す.
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研究実績の概要 |
一方向に鏡面反射特性を持ち,別の一方向に再帰反射特性を持つ,平面反射型光学デバイスであるRMA (Retroreflective Mirror Array)を用いた空中像映像表示技術に関する研究を継続実施中である.この空中像表示技術は他方式に比べて,1) 反射型であるため映像が明るい,2) 数メートル以上の長視距離を実現可能,3) 大型映像へ対応可能,といった特徴がある. 本年度は,次の3つの研究,1) 複数人による空中像ディスプレイ観察時の映像画質の改良,2) 空中像ディスプレイのコンテンツ表現力の向上,3) 空中像を用いた相互コミュニケーションに関する要素技術の検討,を実施した. 1) 複数人が斜めから閲覧した時に,空中像の歪みが発生する.また,それぞれの観察者の視距離が異なると,縦横比の変化が観察されてしまう.この課題を解決するために,RMAを複数枚用いることで,複数の観察者に対して,異なる空中像を提示する手法を実施し,その評価を行った. 2) RMAは一般的な写真のような景色といったものではなく,黒背景に一つの被写体が写っているような映像を用いるが,これは映像コンテンツの種類の幅を狭める点において課題があった.空中像の表現力を広げるために,空中像ディスプレイとプロジェクタによる背面画像を用いたシステムを構築した.観察者の視点位置を推定し,空中像形状に対応する背景部分を切り抜くことで,見えやすい空中像表示を可能とした. 3) 複数台の空中像ディスプレイを用いた人同士の相互コミュニケーションを想定して,そのために必要な基礎検討を行った.複数台のカメラで被写体を撮影することで,視点位置が動いても自然な空中像が見られるようにするためのカメラ配置とその合成アルゴリズムの検討や,3Dディスプレイを用いた相互通信コミュニケーションの基礎実装と実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
提案方式による空中像表示の有効性については十分な確認ができている.それらに加えて,複数人対応やコンテンツ表現力の向上,双方向空中像通信システムの実現に向けた検討など,実用化に向けて必要な研究も実施できている.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であるので,論文化や学会発表を中心に研究を実施していく.
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