研究課題/領域番号 |
20K04623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
工藤 孝人 大分大学, 理工学部, 教授 (60225159)
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研究分担者 |
花田 英輔 佐賀大学, 理工学部, 教授 (90244095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 周期構造 / 周波数選択性 / 電磁波遮へい / シミュレーション / 医療電磁環境 / 周波数選択 / 電磁環境 / 医工連携 |
研究開始時の研究の概要 |
医療電磁環境の改善(必要な無線通信を確保し,かつ,医療機器と無線通信電波との電磁干渉による診療への悪影響や無線傍受による情報漏えいを防止する),採光性などの確保による患者アメニティの向上,電磁波工学と医療管理学・医療社会学の融合による医工連携の新分野開拓などの目的のため,FSS(Frequency Selective Surface)と非金属周期構造(フォトニック結晶構造など)を組み合わせた,マイクロ波帯における周波数(帯域)選択的電磁波遮へいの実現に向けた研究を遂行する(3次元シミュレーションに基づく数値解析,遮へい構造体の試作品作製・特性評価,医療現場における活用指針の提示など)。
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研究実績の概要 |
1.複数層のFSSによる電磁波の帯域的遮へい特性に関する計算機シミュレーション(工藤): 令和3年度に引き続き,複数層のFSS(Frequency Selective Surface)による電磁波の帯域的遮へい特性に関し,FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法に基づく3次元計算機シミュレーションを鋭意実施した.周波数特性及び空間特性のデータを通じ,5G通信の主要な周波数帯である3.4~4.6GHzの電磁波を効果的に遮へい可能であることを明らかにした.FSSと非金属周期構造を組み合わせた構造体による遮へい特性に関しても同様に検討したが,有用なデータを取得するに至らなかった. 2.シミュレーション結果の可視化技法の改良(工藤,花田): 令和3年度に引き続き,FDTD法とJava3Dを用いて電磁波諸現象を擬似3次元空間で動画化(時間経過表現及び視点回転表現)する手法を改良することに成功した.この成果により,計算機シミュレーションの有用性及び医療機関における帯域的電磁波遮へいの重要性をより効果的に可視化することが可能となった. 3.遮へい構造体の試作と特性評価(工藤,花田): コロナ禍の影響で専門業者との打合せが進まず,試作と特性評価の実施を断念した.研究計画調書の「研究が当初計画どおりに進まないときの対応」に記載した内容に従い,計算機シミュレーションに重点をおいて研究を遂行した. 4.医療機関における活用方法の検討(工藤,花田): 令和3年度に引き続き,医療機関における無線通信と有線通信の効率的な併用,及び医療電磁環境における電磁波遮へい材の具体的な活用指針について検討した. 5.研究成果の発表(工藤,花田): 上に述べた1~4の研究成果について国際会議論文1編,国内講演論文6編を発表した.また,雑誌論文1編が査読中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度の研究計画のうち,FSSと非金属周期構造を組み合わせた構造体による電磁波の帯域的遮へい特性に関しては,有益なデータを取得するに至らなかった.また,遮へい構造体の試作と特性評価については,専門業者との打合せを速やかに行って実施する予定であったが,コロナ禍のため打合せの機会を設けることができず,残念ながら断念せざるを得なかった.以上の理由により,「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
1.複数層のFSSによる電磁波の反射・透過特性に関する計算機シミュレーション及びFSSと非金属周期構造を組み合わせた構造体による電磁波の反射・透過特性に関する計算機シミュレーションの継続(工藤): 令和4年度に引き続き,同型または異型の複数層のFSSによる電磁波の反射・透過・遮へい特性,及びFSSと非金属周期構造を組み合わせた構造体による電磁波の反射・透過・遮へい特性に関し,FDTD法に基づく3次元計算機シミュレーションを継続して実施し,マイクロ波帯における周波数特性及び空間特性の詳細なデータを取得する.シミュレーション用のソース・コードの作成及びデータ処理に関しては,研究代表者(工藤)が所属する講座の大学院生に研究補助を依頼する. 2.シミュレーション結果の可視化技法に関する検討の継続(工藤,花田): 擬似3D表示,アニメーションによる時間経過表現や視点回転表現などを活用し,シミュレーション結果の可視化技法,即ち,効果的な視覚表示方法についての検討を継続する. 3.医療機関における活用方法の検討(工藤,花田): 令和4年度に引き続き,医療機関における無線通信と有線通信の効率的な併用,及び医療電磁環境における電磁波遮へい材の具体的な活用指針について検討する. 4.研究成果の発表(工藤,花田): 得られた研究成果を速やかに国内外の学会等で発表するとともに,論文誌への投稿の準備を進める.
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