研究課題/領域番号 |
20K04625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
伊東 良太 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (20433146)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / 液晶 / 水素結合 / 分子間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
テラヘルツ波は次世代無線通信で利用が期待されているが、テラヘルツ波の利用には放射方向を精密にかつ高速に制御するアンテナの開発が課題となっている。液晶アンテナはテラヘルツ波の放射方向を動的に制御可能であり、今後の利用が期待されている。しかし、液晶アンテナの実用化には、液晶材料の特性改善が必要不可欠である。そこで本研究では、液晶の分子間相互作用がテラヘルツ帯の物性に与える影響を明らかにし、液晶アンテナに利用可能な「高複屈折」かつ「低損失」な液晶材料の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
テラヘルツ波による無線通信の実用化にとって重要となる「液晶アンテナ」に有望な液晶を分子間相互作用に焦点を当て開発を進めた。テラヘルツ帯で損失特性が優れる水素結合液晶を中心に評価を進め、末端基としてフッ素を導入した場合のテラヘルツ帯での物性を明らかにした。また、水素結合液晶のコア部分のシクロヘキサン環が1つの場合に比べ、2つの場合に複屈折の増大の効果が見られた。水素結合以外の相互作用として、電荷移動相互作用およびイオン相互作用を対象としてテラヘルツ帯での評価を行い、電子移動相互作用が複屈折、損失に影響を及ぼすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
テラヘルツ波は無線通信の高速化・大容量化を推し進めると予想されているが、光の周波数に近いテラヘルツ波は指向性が強く、放射方向を高速に制御するアンテナの開発が必要となる。液晶は誘電率を電圧により制御できる材料であり、テラヘルツ帯での液晶アンテナへの展開が期待されている。一般的に液晶デバイスは薄型・軽量かつ低消費電力であるため実用化には有利であるが、テラヘルツ帯での動作特性を改善するために高複屈折かつ低損失な液晶が求められている。本研究では、様々な分子間相互作用がテラヘルツ帯での屈折率と損失に与える影響を評価しており、本研究の成果は分子間相互作用を考慮した新たな材料設計の可能性を見出したといえる。
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