研究課題/領域番号 |
20K04630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大倉 俊介 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20808216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イメージセンサ / 低消費電力 / 特徴量 / 一次微分 / 物体検出 / 量子化 / 逐次比較型A/D変換器 / 画像認識 / 深層学習 / 機械学習 / CMOSイメージセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、Trillion Sensor社会に向けて、極低消費電力で動作するCMOSイメージセンサの実現を目的とする。 Trillion Sensor社会では、様々な社会問題を解決するために毎年1兆個を超えるセンサーが活用されると期待されている。 しかし、画像を検知するイメージセンサを大量かつ偏在的に用いるためには、データ通信量や消費電力の大幅な低減が必要となる。 そこで、近年、飛躍的な進展を遂げている深層学習を用いた画像認識と組み合わせることで、イメージセンサの出力データ量および消費電力、ひいては、深層学習における計算負荷を低減し、画像検知システム全体の低消費電力化を図る。
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研究実績の概要 |
極低消費電力で動作する画像認識用CMOSイメージセンサを実現するため,2023年度は実証TEGの試作,および画像認識用ニューラルネットワークの検討を行った.人間が確認するなど詳細な解析に利用するRGBカラー画像を出力する際は物体検出精度が69.6%であるのに対して,AIによる画像認識に利用する特徴量データを出力する際は,物体検出精度が56.6%に低下するものの,イメージセンサから出力するデータ量を97.7%削減することを示した.また,出力データ量を削減することで,イメージセンサの消費電力を99%削減できる目途を得た. - 物体検出モデルYOLOXを用いて,公開データセットCOCOを利用した物体検出精度の検出を行った.特徴量データとして,画素アレイ内でRGBカラー画像をグレースケール変換する手法を提案し,水平方向のエッジ抽出,A/D変換器での量子化,デジタルデータ出力の際のデータビニングにより,データ量を97.7%削減する.COCOデータセットをもとに,特徴量データセットを生成し,YOLOXに学習させることで,データ量が非常に小さい特徴量データであっても56.6%と高い検出精度を実現可能な目途を得た. - 実証TEG試作中であるが,試作日程が遅延しており,チップ評価は2024年度に継続して実施する.また,画素のポテンシャル設計を行い,画素の駆動方法を切替えることで,通常のRGBカラー画像,および,画素アレイ内でグレースケール変換およびエッジ抽出が可能なイメージセンサ実現の目途を得た.画素に用いるトランジスタ数を,フォトダイオード1つあたり2個に抑えることで,一般的な民生用途で用いられるイメージセンサと同等の3μmピッチで実現可能な目途を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は実証TEGチップの評価を予定していたが,試作日程が遅延しており,チップ評価は2024年度に継続して実施する.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は研究最終年度であったが,実証TEGチップの試作が遅延しているため,補助事業期間の延長を申請し,2024年度に継続してチップ評価を実施する. また,これまでの研究成果の社会実装を目的として研究を推進していく予定である.
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