研究課題
基盤研究(C)
チップ上で光-電気信号変換を実現できるシリコン光集積回路の実用化において、永年の課題であった光カプラのジレンマを克服するための革新的製造技術を開発する。申請者らが開発している立体湾曲型光カプラは、光ファイバ実装が容易な表面型でありながら、高効率かつ広波長帯域の光結合特性を実現できる画期的な方法である。実用化に向けて光のモードフィールドの拡大を進め、当初の2μmから現在5μmまで実現できた。これを汎用的な光ファイバの10μmまで拡大するために、今回、立体湾曲型光カプラ製造のための中核技術である、イオン注入薄膜変形技術の革新に挑戦する。
本研究では、モードサイズ10μmのエレファントカプラを実現することを目的としエレファントカプラ作製のコア技術であるIIB技術の革新を目指した。これまでのIIBでは先端テーパー部を直線に保ったまま立体湾曲部を形成することが難しく、モードサイズ10μmのエレファントカプラを実現することが出来なかったのだが、本研究では新たな観点として、イオン注入角度と湾曲効果の関係を明らかにし、その効果を利用することで、IIB技術の加工自由度が格段に上がり、所望のエレファントカプラを形成することに使えることを見出した。
本研究で得られた成果は、エレファントカプラを一般的な光ファイバに対応可能とする革新的な基盤技術となる。それにより、波長分割多重や空間分割多重への応用の障壁が格段に下がり、ひいては、光通信のデータ伝送レートを飛躍的に向上させるための基盤技術になることが期待される。
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Japanese Journal of Applied Physics
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