研究課題/領域番号 |
20K04635
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
浅井 栄大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00722290)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 半導体量子ビット / 半導体デバイスシミュレータ / 量子ビットシミュレータ / 量子コンピュータ / 量子コンピューティング / TCAD |
研究開始時の研究の概要 |
近年、大手半導体素子メーカーを含めた産学官連携による半導体量子コンピュータの研究が急速に進展している。実用的な量子コンピュータの実現には、その素子である量子ビットの動作解析及び最適設計が鍵となる。しかし、現在の量子ビット開発の現場では従来型半導体素子の高集積化を支援しているTCAD シミュレータに相当する設計ツールが存在せず、経験則的設計に留まっている。そこで本研究では、TCAD シミュレーション手法と量子ビットの理論解析手法とを融合する事で半導体量子ビットシミュレータ(QCAD)を開発し、量子ビットの動作解析及び設計支援を行う環境を構築する。
|
研究実績の概要 |
昨年度は、「単電子輸送現象」及び「1量子ビットゲート」に加えて「2量子ビットゲート」を扱うためのシミュレーション技術を開発し、QCADのプロトタイプを完成させた。 本年度は、まず1量子ビット構造、2量子ビット構造のそれぞれのシミュレーションをより簡便に行えるように、シミュレーションモジュールの整備を行った。シミュレーション速度の向上に向けて、半古典構造と量子ビット構造の量子自己無撞着計算の収束性向上に向けた検討や、デバイス構造の対称性に応じた計算構造の簡略化なども進めた。 また共同研究を行う実験グループが作成中の単一量子ビットデバイスとの比較に向けて、単一量子ビットをシミュレーションするための計算スクリプトのテンプレートを整備し、単電子輸送現象やラビ振動など測定結果合わせ込みに向けたシミュレーション体制を構築した。 さらに、実験的に報告されている半導体2量子ビット構造を模したデバイスについてシミュレーションを実施し、ゲート長及びゲート幅の寸法ばらつきがもたらす2量子ビットゲート操作エラーについて詳細に調べた。ゲート操作エラーの主要因が寸法変化によるビット間のトンネル結合の急激な変化である事を明らかにした。シミュレーション結果を詳細に解析する事で、ゲート幅及びゲート長ばらつきがもたらすトンネル結合の揺らぎを防ぐための新しいSOI基盤構造やゲート製造プロセスを見出し、論文発表及び特許出願を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の予定通り、QCADのプロトタイプを完成させる事ができており、シミュレータの整備やシミュレータを用いた発展的な研究を進める事ができている。
|
今後の研究の推進方策 |
実験グループによる測定準備が進んでいる量子ドットの単電子輸送特性の再現に向けたシミュレーションに取り組む。
|