研究課題/領域番号 |
20K04644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
須田 裕哉 琉球大学, 工学部, 准教授 (10636195)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 炭酸化 / ケイ酸カルシウム水和物 / 炭酸化収縮 / 相対湿度 / 損傷 / 拡散係数 / pH / 空隙構造 / C-S-H / 変質 / 自然環境 / 水和物 / ポルトランダイト / 炭酸カルシウム / ひび割れ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,コンクリートの炭酸化時の温度や湿度の影響について,主要な水和物であるケイ酸カルシウム水和物(以下,C-S-H)に着目し,異なる環境条件下でのC-S-Hの炭酸化挙動を解明することを目的とする.さらに,炭酸化によって生じる体積変化(炭酸化収縮)と硬化体品質としての炭酸化による物質移動性状の変化をC-S-Hの微視的構造の観点から明らかにすることを目指す.特に,本研究では,炭酸化時の温度や湿度の影響を「C-S-Hが保有する水分量」と捉え,「C-S-Hの寸法変化」や「炭酸カルシウムの生成領域,生成起源」に着目し,各種セメント系材料の炭酸化機構とコンクリート品質との関係を体系的に整理する.
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研究成果の概要 |
本研究では、異なる環境条件における炭酸化したコンクリートの品質変化を水和物相の変質から評価した。異なる相対湿度における水和物の炭酸化を評価した結果、高湿度下ではポルトランダイトの炭酸化が進行し、低湿度下ではC-S-Hが進行することが明らかとなった。また、空隙構造の評価では、C-S-Hの炭酸化が進行した供試体ほど空隙構造が粗大になることやpHが低下しやすいことが示された。さらに、コンクリート供試体を対象に炭酸化によるひずみの変化および気体の拡散性を評価した。炭酸化収縮時の骨材の拘束により微細な損傷がモルタル部で生じることが明らかとなり、これらが気体の拡散性を増加させる要因となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果から炭酸化によるコンクリートの変質に水和物相の構造変化とそれによる損傷が大きく影響していることが明らかとなった。特に、水和物相の炭酸化の進行程度の違いによって、セメント硬化体の空隙構造や液相中のpHが大きく変化することを示した点は新たな知見といえる。さらに、本研究では水和物の観点からコンクリートの変質の変化を評価していることから、構造物のおかれた環境におけるコンクリートの変質に対する適切な劣化診断技術の確立と効果的な維持管理計画の策定、新たな材料設計手法の構築へフィードバックすることも可能である。
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