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アルカリ骨材反応を生じたコンクリート構造物の水分除去による再劣化抑制技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K04645
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
研究機関富山県立大学

研究代表者

伊藤 始  富山県立大学, 工学部, 教授 (10553133)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードコンクリート / アルカリシリカ反応 / 劣化抑制対策 / 除湿 / 湿気移動 / 強度回復 / 収縮 / 水分除去 / 再劣化抑制
研究開始時の研究の概要

本研究の全体構想は、北陸地方等のコンクリート構造物の維持管理上、大きな問題となっているアルカリシリカ反応(ASR)で劣化した構造物を対象に、ASR膨張の根本的な原因である内部の水分を減らすことで、再劣化の生じないASR対策を実現することである。
本研究は、ASR膨張が内部湿度80%以下で進行しにくくなる知見に着目し、構造物内部の湿度を経時的に減少させ、ASRの膨潤性ゲルから水分を取り除く劣化防止策【除湿法】を開発するものである。除湿法は、橋脚等の構造物側面から除湿孔を穿孔し、その内部に吸水材を埋め込む方法である。表面からの対策工事が施しづらい土中の橋脚基礎や巻立て補強橋脚への適用も目指す。

研究成果の概要

北陸地方等のコンクリート構造物の維持管理上の問題であるアルカリシリカ反応ASRを対象とした。湿度80%以下で進行しにくくなる知見に着目し、湿度を減少させ膨潤性ゲルから水分を取り除く劣化防止策【除湿法】を実施するために3つの課題を検討した。
①ASR膨張抑制の評価では、低い湿度で膨張が抑制され表面ひずみが低下すること、圧縮強度が回復することを確認した。②除湿法の確立では、送風による方法の除湿効果が除湿材に比べて高いことを確認し、解析に用いる湿気移動特性を提案した。③湿度管理法の確立では、湿気移動特性の妥当性を検討し、のと里山海道の橋脚をモデルに2.1年で目標湿度まで低減できることを示した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

劣化防止策の開発にあたり、3つの課題を検討した。①ASR膨張抑制の評価では、コンクリート内部の湿度低下による収縮量や力学性能について各種要因が与える影響を明らかにするとともに、それらの変化を定量的に評価した。②除湿法の確立では、除湿法ごとの湿気移動特性を確立するとともに、内部乾燥によるコンクリートひずみの変化も評価した。③湿度管理法の確立では、湿気移動特性の妥当性を示し、解析を用いた実構造物モデルの設計法を提示した。
本研究の成果から、実構造物に【除湿法】を実施する場合に、その設計法が適用可能になるとともに、その効果を内部湿度、収縮量、力学性能の変化として把握することが可能になる。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] NaCl添加コンクリートの封かん養生下での圧縮強度発現メカニズムに関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      山岸 祥希, 佐川 孝広, 伊藤 始
    • 雑誌名

      土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)

      巻: 78 号: 1 ページ: 1-12

    • DOI

      10.2208/jscejmcs.78.1_1

    • NAID

      130008143383

    • ISSN
      2185-6567
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ASR 劣化したコンクリートの最大膨張量と空気量が除湿による収縮量に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      塚西弘輝、伊藤始、相良明日香
    • 学会等名
      土木学会中部支部研究発表会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 乾燥過程におけるコンクリートの厚さや材齢が内部の相対湿度と含水率の関係に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      南亮多、伊藤始、達柊介
    • 学会等名
      土木学会中部支部研究発表会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 除湿法を適用したコンクリートの湿気移動特性の評価と湿度管理システムの構築2023

    • 著者名/発表者名
      達柊介、伊藤始、南亮多、塚西弘輝、白上新、細野恭成
    • 学会等名
      土木学会第78回年次学術講演会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 除湿により収縮したASR 劣化コンクリートの圧縮破壊特性に関する実験的検討2023

    • 著者名/発表者名
      松井淳史、伊藤始、塚西弘輝
    • 学会等名
      土木学会第78回年次学術講演会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] コンクリートの水分量がASR 膨張ひずみと除湿時の収縮ひずみに与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      塚西弘輝、伊藤始、大澤紀久、安藤陽子
    • 学会等名
      土木学会第78回年次学術講演会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 乾湿過程や材齢がコンクリート内の含水率と相対湿度,ひずみの関係に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      南亮多、伊藤始、達柊介、塚西弘輝、白上新、細野恭成
    • 学会等名
      土木学会第78回年次学術講演会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] アルカリシリカ反応による膨張ひずみがコンクリート中の湿度低下量に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      達柊介、伊藤始、南亮多、巳野寛貴、白上新、細野恭成
    • 学会等名
      土木学会第77回年次学術講演会講演概要集
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] アルカリシリカ反応による膨張ひずみがコンクリート中の湿度低下量に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      達柊介、伊藤始、南亮多、巳野寛貴、白上新、細野恭成
    • 学会等名
      土木学会年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 送風除湿法によるコンクリートの湿気移動特性に関する基礎的研究2021

    • 著者名/発表者名
      達柊介、伊藤始、遠藤雅樹、白上新、細野恭成
    • 学会等名
      土木学会年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 養生方法がNaClを添加したコンクリートの力学性能に与える影響に関する基礎的検討2021

    • 著者名/発表者名
      山岸祥希、伊藤始、遠藤雅樹
    • 学会等名
      土木学会年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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