研究課題/領域番号 |
20K04661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
阿部 和久 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40175899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 軌道座屈管理 / 座屈確率 / 初期通り変位 / 道床横抵抗力 / ランダム波形 / 飛び移り座屈 / 確率分布 / モンテカルロシミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,初期通り変位やバラストによる軌道拘束力(道床横抵抗力)の不確実性を考慮した,確率論に基づく軌道の飛び移り座屈の合理的評価法を提案する.具体的には,地方閑散線区の様に,初期通り変位波形の分散や相関長などの統計量のみが推定可能な線区から,波形そのものが常時モニタリング可能な線区まで,事前情報の多寡に応じた座屈温度の事後確率分布等を求め,それに基づいた軌道の座屈安定性評価法の有意性について検討する.
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研究成果の概要 |
継目の無いロングレール軌道の座屈温度を支配する初期通り変位波形と道床横抵抗力とを不確実性を有する確率変数として捉え,座屈温度の確率分布を求め,座屈確率に基づいた軌道管理法について検討した. その結果,初期通り変位の分散や,座屈モードより長波長の道床横抵抗力空間変動成分が軌道の飛び移り座屈温度の確率特性に大きく影響することがわかった.また,通常用いられている10m弦正矢に基づいた通り変位補修が座屈強度の改善に有効であることを確率論的に明らかにした.さらに,5m弦正矢データから復元した初期通り変位波形を用いた座屈解析が,軌道座屈予測の実現に有効であることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
継目の無いロングレール軌道では適切な座屈管理が重要となる.軌道座屈強度はレールの横方向初期たわみ(通り変位)と横方向拘束力(道床横抵抗力)とに大きく依存するが,それらはバラツキを有しているため,座屈強度の確定論的評価ができない.現行では,座屈が確実に発生し得ないレベルのレール温度に基づいた管理がなされているが,過度な安全性が求められている懸念がある. 本研究では,上述の不確実性を考慮して軌道座屈強度を確率論的に評価した.また,軌道状態に関する情報量の多寡に応じた管理手法についても検討した.これらの成果をとおし,より合理的な座屈管理手法の可能性を示唆することができた.
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