研究課題/領域番号 |
20K04663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
大堀 道広 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 准教授 (50419272)
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研究分担者 |
上林 宏敏 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (30300312)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 経験的グリーンテンソル / モーメントテンソル / 震源メカニズム / 波形インヴァージョン / 強震動予測 / 経験的グリーン・テンソル / モーメント・テンソル / 震源過程 |
研究開始時の研究の概要 |
M6クラスの地震は、地震国と呼ばれる日本においてはいつどこで起きてもおかしくない地震であり、その地震動特性を精度良く再現できる手法の開発は、地震防災においても大きな意義があり、学術的にも価値のある挑戦的な研究課題である。本研究では、経験的グリーン・テンソル法に関する基礎的研究を発展させることで、M6クラスの地震による広帯域地震動を精度良く予測する手法を開発する。さらに震源過程や地下構造の推定における適用法を提案する。
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研究実績の概要 |
M6クラスの地震は、地震国と呼ばれる日本においてはいつどこで起きてもおかしくないほど発生確率の高い地震であり、その地震動特性を精度良く再現できる地震動予測手法の開発は、地震防災においても大きな意義があり、学術的にも価値のある挑戦的な研究課題である。本研究では、経験的グリーン・テンソル法に関する基礎的研究を発展させることで、M6クラスの地震による広帯域地震動を精度良く予測する手法を開発する。さらに震源過程や地下構造の推定における適用法を提案する。
今年度は、6月19日に石川県能登半島の北東部ででマグニチュード5.4の地震が発生し,石川県珠洲市のK-NET正院(ISK002)では最大震度となる震度6弱を記録したことから、他の研究課題とも連携し、被害が集中した珠洲市正院地区を中心とする6地点において臨時地震観測を行った。その結果、6地点でM3.5以上の地震を10個観測した。観測された波形に見られる特徴を概観した上で、ISK002における計測震度に対する各点の震度増分を整理した。臨時地震観測点では震度5強から震度6弱に相当する推定震度が算出された。
能登半島では地震活動が継続しており、より規模の大きい地震の発生も懸念されている。本研究課題ではM6クラスの地震を主対象としていることから、次年度も地震観測を継続するとともに、収集された地震記録を用いて、経験的グリーン・テンソル法による地震動予測を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、今年度も新型コロナウィルスの感染予防のため講義の負荷が大きかったことや、入試担当となり関連諸事が多発したため、研究活動も大きな影響を受けた。
次年度は同ウィルスの感染予防も緩和される方向が明らかにされており、学会開催もコロナ前に戻りつつあることから、研究活動を充実できる見込みである。
6月19日の能登半島北部の地震後に実施した臨時地震観測においても、本研究課題にとって有用な記録が得られていることから、次年度は研究の遅れを取り戻せると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
地震動は、震源特性、伝播経路特性、サイト増幅特性、以上の3つの特性により大きく特徴づけられるとされている。昨年度、多数の地震観測記録を収集・整理する中で、 堆積地盤上の観測点に占めるサイト増幅特性の寄与の大きさを強く感じさせられた。
強震動予測には上記の3特性を適切に評価する必要があるが、経験的グリーン・テンソルにはすでに3つの特性が全て含まれており、多様な地盤条件に対して強震動予測を行う上では非常に有効な方法であることを示すことができる。
臨時地震観測を実施した珠洲市正院地区は、地盤の振動特性の空間変化が見られ、サイト増幅特性を理論計算により評価することが難しい場所であることが示唆されており、経験的グリーン・テンソルの有効性を示しやすい条件が整っていると考えている。
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