研究課題/領域番号 |
20K04670
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
山岸 邦彰 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (70553189)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 震動低減基礎 / ノンエンジニアド建築 / 球状砂 / 転がり摩擦係数 / 風圧力 / 最大滑動変位 / 簡易予測法 / 面圧 / 摺動速度 / 高温高湿槽 / パイルキャップ / 強風対策 / ゴムシート / 石材 / 動摩擦係数 / 粒度分布 / 圧縮強度 / 転がり摩擦 / 開発途上国 / 球状骨材 / 経年劣化 / 振動実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、環太平洋地震体に属するASEAN諸国の事業継続力と生活継続力を高める、安価で恒久的な耐震構法である震動低減基礎構法の実現を図る研究である。これらの諸国には技術的な裏付けのない、いわゆるノンエンジニアド建築が多く、地震による多くの人や財産の喪失が繰り返されてきた。これまで進めてきた球状砂を利用した基礎構法の開発を加速させ、本構法の普及を図ることを目的とする。本構法の基本的特性から過酷な気象環境下における同特性の把握などを行う。
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研究成果の概要 |
ASEAN等に広く利用されるNon-engineered建築の震災の減少を目的として、球状骨材の転がり摩擦を利用した震動低減基礎の開発を行った。この結果、以下のことが分かった。(1) 球状骨材径と基礎に生じる面圧により摩擦係数を変化させることができること、(2) 当該基礎の弱点である強風時の滑動を抑止するために滑動開始風速を予測したこと、(3) Non-engineered建築を模擬した解析モデルによる震動シミュレーションの結果、同基礎の適用により外壁に生じる応力を減少することができたこと。以上の結果から震動低減基礎の実現性は高まり、同基礎の適用に一歩近づけることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
摩擦係数を制御できる機構を発見できたことは極めて大きな学術的意義がある。摩擦力の制御は一般的に、摩擦材料に与える軸力を調整して行われる。しかし、基礎の滑動を利用する本機構において、軸力を変化させることは困難であるため、摩擦係数を制御する必要がある。摩擦係数の調整は一般的に材料の選択することで行われる。しかし、本機構は適切な摩擦係数を連続的に定めることができることが意義深い。本機構の適用により、震災レベルを顕著に低下させるだけではなく、その建築物を利用して事業継続や生活継続を高めることができるため、社会的損失を大幅に縮減することが可能になるため、社会的意義は極めて大きい。
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