研究課題/領域番号 |
20K04675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
広瀬 望 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 教授 (40396768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 大気腐食環境 / 海塩粒子濃度 / 維持管理 / 数値シミュレーション / 衛星観測データ / 構造物の維持管理 / 大気腐食 |
研究開始時の研究の概要 |
沿岸域で生成した海塩粒子は内陸部に輸送され,鋼橋の鋼材腐食やコンクリート橋の塩害を助長する.これまでの観測データの蓄積と数値解析技術の飛躍的進歩によって,道路橋の桁内に付着する塩分量の推定が可能となった.しかしながら,数値解析の境界条件となる海塩粒子の濃度や粒径分布の予測精度は不十分であり,その改善が急務である. そこで,本研究は,大気中の海塩粒子濃度や粒径を計測するとともに,気象モデルと衛星観測を組み合わせた疑似的なデータ同化手法を開発することによって,海塩粒子濃度の予測精度を飛躍的に向上させる.
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研究実績の概要 |
本研究では,大気化学プロセスを組み込んだ領域気象モデルWRF-Chemによる海塩粒子濃度の予測精度向上を目的として,現地観測データを用いた数値モデルの予測精度の検証と衛星観測データを用いたデータ同化手法による予測精度向上のための研究を進めている状況である. 具体的には,衛星で観測されたAOD(光学的厚さ)を用いて,時空間的な視点で多面的にデータを解析した.また,地上観測データとの比較を行い,両者の傾向の違いを取りまとめた.さらに,大気化学プロセスを組み込んだ領域気象モデルWRF-Chemを用いて,様々な条件での数値実験を積み重ね,複合的に検討を行うとともに,日本国内で計測されている大気中のCl-イオン濃度を用いて,比較検討を行い,数値モデル単独の精度検証を行った. 一方,大気化学プロセスを考慮した領域気象モデルWRF-Chemで数値実験を行い,データ同化手法(DART)を組み合わせた解析手法を試行し,精度検証を行うとともに,京都大学のスーパーコンピューターを利用し,WRF-Chemにおける海塩粒子輸送予測実験を行い,その有効性を検討した.そして,これまでの研究結果を取りまとめ,国内学会で研究発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究計画に基づいて,京都大学のスーパーコンピューターを利活用し,研究を進めているものの,数値モデルの予測精度の検証が不十分である.そのため,数値シミュレーション結果を踏まえて,衛星観測データ及び現地計測データを複合的に用いて,数値モデルの予測精度の検証を複合的に進めていく予定である
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今後の研究の推進方策 |
大気化学の再解析データなど,利活用できる大気化学データを活用し,地上観測データと大気データとの傾向分析を多面的に進めるとともに,京都大学のスーパーコンピューターによるWRF-Chemの数値実験を繰り返し実施し,様々なデータとの比較検討を繰り返し行い,データ同化手法による予測精度向上のための検討を精力的に実施する予定である.
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