研究課題/領域番号 |
20K04676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
山田 学 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主幹研究員 (10835763)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 鉛直免震 / パラレルリンク / 固有周期 / 力学特性 / 復元力特性 / 摩擦力 / 無動力 / 油圧シリンダ / アキュムレータ / 無周期 / 免震装置 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,我が国では大地震が相次いで発生し,今後,南海トラフ地震やこれに呼応する直下型地震の発生が確実視されている状況にある。現在,庁舎や中核病院等の重要建物には免震構造が採用されているが,鉛直震動に対応できるものは無く,対策として十分とは言えない。鉛直免震の課題は,大荷重支持と低剛性化(柔らかく支える)というトレードオフを両立することにある。本研究ではこれを解決すべく,油圧シリンダとアキュムレータ(蓄圧機)等からなる新型油圧回路により,地震時に無動力・無周期で性能を発揮する免震要素の開発を検討する。発展形として,本免震要素でパラレルリンクを構成することで,3次元免震への拡張を検討する。
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研究成果の概要 |
パラレルリンク式鉛直免震の検討を,解析及び小型モックアップで実施した。解析の結果,パッシブ方式で支持型のパラレルリンクを用いる場合,シリンダの変位が拡大する部分で不安定挙動を生じる。このため,これを解消できる懸架型パラレルリンクに変更した。シリンダを収縮方向で使用する懸架型は,シリンダ連結部の力点と力ベクトルが一直線になることからスムーズな動作が期待できる。またシリンダ方式の最大の弱点である摩擦力の低減にも作用する。小型モックアップとして,エア式4台と,油圧式1台を製作し,加振実験に供し,入力加速度を低減する良好な結果を得た。現時点での250t/脚の設計仕様をまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南海トラフ地震が確実視され,その備えが必要である。そこで,フライトシミュレータ等に用いられるパラレルリンクを鉛直免震装置に適用する検討を実施した。パラレルリンクは,関節を順次連結するシリアルリンクと比較して,堅強な構造を作る事ができるが,地震力を受け流す方向で使う場合,水平復元力が乏しく,不安定挙動を示すことが本研究で明らかになった。そこで,支持型から懸架型に変更することで復元性を向上し,安定化できる見通しを得た。小型モックアップの加振実験では一定の免震性能を確認している。今後,ほとんど実用化されていない鉛直免震の有望な方式として発展が期待される。
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