研究課題/領域番号 |
20K04684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
吉田 秀典 香川大学, 創造工学部, 教授 (80265470)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 廃シロップ / 六価クロム / 無害化 / セメント系改良土 / 強度増加 / 廃棄物の減容 / 地盤改良 / セメント系改良材 / 還元糖 |
研究開始時の研究の概要 |
地盤改良では,セメント系材料が多用されるが,その製造過程において六価クロムを含むため,地盤に投入されてから固結するまでの間に六価クロムが溶出し,地盤や地下水を汚染する可能性がある.近年,自然災害等が増加し,地盤改良のニーズが増えていることに加え,国の六価クロム化合物に係る水質基準が厳しくなる予定であることから,六価クロムの廉価な無害化と改良土の強度確保と言う要請を満たす必要が有る.本研究では,糖類には還元能力があること,さらに賞味期限が切れた廃シロップは大量にあることに着眼し,廃シロップをセメント系材料に混合することで,低コストで六価クロムを無害化し,かつ,改良土の要求強度の確保を目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,廃シロップの添加によるセメント改良土の強度向上のメカニズムを明らかにすることを目的として一軸圧縮試験および六価クロム溶出試験を実施した. まず,廃シロップ廃シロップが有する粘性と糖の結晶析出防止作用が改良土の特性に与える影響を検証した.その結果,粘性は改良土の強度向上に関与していないことが,また,廃シロップが有する結晶化防止作用が,改良土の強度増進に関与していることが示唆された. 次に,改良土の六価クロム溶出特性を把握するために,六価クロム溶出試験を行った.廃シロップには複数の糖類が含まれており,それらの複合的な効果によって高い還元性を示している可能性があることが判明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
六価クロムの規制が強まることを受け,今後,六価クロムの無害化は喫緊の課題となる.そうした中で,六価クロムの無害化について,低コストと強度の両者を満たすことが望まれていることから,本研究の成果は,廃シロップという低コストな廃棄物で六価クロムを無害化できるという点で,単に,有害物質を無害化するだけでなく,食品関連廃棄物の減容化にもつながり,持続可能な社会の開発(SDGs)に大いに貢献するものと考える. また,本研究では,廃シロップを添加したセメント系改良土の強度が増加すること,ならびにその増加メカニズムを明らかにした.こうした検討ならびにその成果は,学術的にも大いに注目されるところである.
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