研究課題/領域番号 |
20K04685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
福林 良典 宮崎大学, 工学部, 准教授 (70812220)
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研究分担者 |
神山 惇 宮崎大学, 工学部, 助教 (90816266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 土留杭 / 引抜 / 3次元弾塑性有限要素法 / 同時充填 / 鋼矢板 / 地表面沈下 / 数値解析 / 経験手法 / 施工事例分析 / 充填材 / 一軸圧縮強度 / 弾性係数 / 土水連成3次元弾塑性FEMコード / 引抜同時充填 / 土留部材 / 地盤変形 |
研究開始時の研究の概要 |
地中構造物の設置のため開削工事を行う際に,鋼矢板などで土留を設置する.構造物が完成し埋戻しを終えて土留部材を引き抜くと,周辺地盤の沈下や変状が生じる.この地盤変形を抑制するような複数の引抜工法がこれまで開発されてきたが,それらの効果を比較し評価する手法が存在しない.そこで本研究では,土留部材の引抜時の地盤変形を評価する手法の確立に向け,引抜時の地盤変形の現場計測を行い,3次元弾塑性有限要素法による数値解析手法の確立を目指す.従来,周辺地盤への影響を考慮し土留部材は残置されることが多い.本研究により,様々な引抜工法の適用条件と効果が整理されることで引抜きが普及し,土留部材の再利用につながる.
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研究成果の概要 |
開削工事に設置される土留板を引抜き時の地盤変形を, 3次元弾塑性有限要素法を用いた汎用ソフトであるPLAXIS3Dを利用して計算する手法を提案した.土留杭と地盤との境界にインターフェース要素を配置し,引抜き時に塑性化させた.引抜を50cmピッチで行うこととし,杭端部から順に空洞化し掘削解析を行った.その結果,ある引抜工事事例で引抜杭から約3 m離れた地点で計測された地盤沈下量約200 mmを,再現することができた.引抜同時充填を再現した解析の結果,地盤沈下量は同時充填無の場合と比べて約1/10に削減することがわかった.2次元的なモデルで,土留杭引抜に伴う地盤変形予測手法の一つを確立した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
杭の水平や鉛直載荷時の地盤変形の数値解析手法が多く提案されている一方,杭引抜時の数値解析手法の提案事例は少ない.引抜事例や,引抜に伴う周辺地盤の変形データが少ないことが要因に挙げられる.本研究では,土留部材同時充填引抜工法研究会を研究協力者とした.その研究会が保有する多くの施工事例や地盤変形計測データを利用することができ,妥当性を検証しつつ簡単なモデルでの数値解析手法を開発することができた.より詳細の地盤条件や3次元的なモデルでの解析手法へと発展させることが今後の課題である.開削工事で仮設として設置される土留板の再利用が進み,循環型社会の形成に寄与する可能性がある.
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