研究課題/領域番号 |
20K04700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
横木 裕宗 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (70240190)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全球海岸線 / 海岸地形 / 海面上昇 / wave setup / 環礁州島 / 海岸侵食 / 海岸植生の活用 |
研究開始時の研究の概要 |
環礁州島海岸において,海岸植生による海岸侵食対策を提案するために,現地調査,数値計算によって明らかにし,現地海岸に適用するための定量的な設計基準や健全な漂砂環境を維持・復元するための技術オプションの提示を提案することを目的としている. 最初の2年間で,海岸植生域および背後の陸域土地利用の時系列変化と海岸侵食の関係について,環礁における事例収集のための現地調査を行う.また航空写真や衛星画像を用いて定量的な解析を行うと同時に,文献調査による事例の収集も行う.最終年では既往の海岸侵食対策工法を整理し,それらに対する海岸植生を用いる方法,養浜や有孔虫の養殖などを組み合わせた方法の優位性を評価する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は大きく,環礁州島海岸における(1)海岸植生による砂浜安定化効果の解明とその設計方法の提案と,(2)持続可能な海岸保全対策の提案である.前者は後者を達成するための重要な要素研究であり,環礁州島海岸の持続可能な保全策として不可欠な要素である.そして他の研究プロジェクトの成果と統合して,後者の技術オプションを提案する. 2022年度も,コロナ禍で現地調査を行うことができなかったので,海岸に作用する外力として,海面上昇および波浪に伴う水位上昇に関する考察を行った. 海水の熱膨張や氷河の融解等の他に海面上昇への影響を与える要因の一つとして砕波によるwave setupがある.波が沿岸に近づくと,浅水変形をしながら波高が増大してやがて砕波が起こる.砕波点を境に波高が減少することによって,砕波が生じた場所より岸側の海域では平均水位が上昇する.将来の海面上昇をより正確に求めるためには,wave setupによる海面水位上昇量を考慮することが必要である.そこで海底勾配を考慮したより一般的な砕波指標を用いてwave setupによる海面水位上昇量を求めた.また,海面上昇によって水深が増加することがwave setupにどう影響するかも考察した. 2022年度は,対象となるアジア太平洋域沿岸における地形的な特徴を抽出し,海面上昇,高波浪,wave setupなどによる影響をどのように受けるのか考察を行う基礎データの整備を行った.これにより例え次年度に現地調査が実施できなくても,当初の研究目的を達成できるようになる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で,環礁州島海岸線の特性を調査することができていない.しかし,海岸線に及ぼす波浪外力について深く考察することができた.2022年度までに得られた情報をもとに,2022年度以降の研究成果が充実するものと期待されるため,おおむね順調に進展していると評価した.2023年度は,現地調査の可能性を追求するものの,リモートセンシングデータを最大限活用し,海水位変動・波浪変化が環礁州島の海岸線に及ぼす影響について検討を行う.海岸特性に関する情報を可能な限り入手し,海岸線性状別の波浪影響,海岸侵食特性,それらの相互作用などの考察を行う.
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今後の研究の推進方策 |
現状のコロナ感染対策の状況を鑑み, 2023年度には現地調査が実現するとして,調査の準備を進める.また並行して,リモートセンシングデータによる解析も引き続き進める.
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