研究課題/領域番号 |
20K04712
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
朝岡 良浩 日本大学, 工学部, 准教授 (00758625)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 氷河融解 / 衛星観測 / Sentinel-1 / Cバンド合成開口レーダ / 後方散乱係数 / WorldView / 正規化植生指数 / ボリビア多民族国 / 正規化水指数 / Landsat / 正規化積雪指数 / 正規化植生指標 / 氾濫 / 貯留 |
研究開始時の研究の概要 |
熱帯氷河が後退し跡地の多くには湿地や氷河湖が形成されている。本研究は、ボリビア多民族国の熱帯氷河が後退した流域を対象として、湿地・氷河湖の水文学的機能を解明し、水資源量に及ぼす影響を定量的に評価する。具体的には、水文・気象モニタリングと複数リモートセンシングの融合によって、湿地の氾濫メカニズムの解明、湿地・氷河湖の水収支の算出に取り組む。また、対象流域は下流域の首都圏に水資源を供給するという社会的背景を持つ。本研究で得た湿地・氷河湖の水文学的機能に関する学術的知見を氷河融解・流出モデルに組み込み、水資源量推定の高度化を図り、湿地・氷河湖の水文学的機能が水資源量に及ぼす影響を定量的に評価する。
|
研究成果の概要 |
本研究は熱帯氷河の下流に形成される湿地と氷河湖の分布を明らかにした。湿地の水域はSentinel-1衛星のCバンド合成開口レーダから算出した後方散乱係数、WorldView衛星の光学センサから算出した正規化植生指数と正規化水指数組を組み合わせて月単位で抽出した。氷河湖の抽出には後方散乱係数を用いた。対象地域のトゥニ貯水地(ボリビア多民族国)の集水域では集水面積に対して湿地水域の占有率が9.7%(乾季)から22.3%(雨季)まで変動すると推定した。また、3つの集水域の湿地面積は上流に分布する氷河面積に関係することを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は氷河下流の湿地や氷河湖の分布を推定する手法を開発した。複数の衛星データ(Cバンド合成開口レーダと光学センサ)を組み合わせて天候の影響を受けずに推定可能である。また、熱帯氷河下流の湿地水域の変動を示した研究事例は少なく、湿地水域の変動を月単位で推定したことは大きな成果といえる。氷河・湿地・氷河湖の分布する流域の水循環理解に向けて重要情報になりうる。アンデス高地では山岳都市の多くが熱帯氷河の融解水を主要な水資源の1つとして利用している。気候変動下の水資源管理において氷河・湿地・氷河湖を考慮した水循環の理解は社会的にも有益と考えられる。
|