研究課題/領域番号 |
20K04731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
間邊 哲也 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20640197)
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研究分担者 |
小嶋 文 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40637998)
金 帝演 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50510062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ITS / 自転車 / 安全運転支援情報システム / 逆走 / 一時不停止 / 走行環境識別 / 意識調査 / 交通安全教育 / 走行方向識別 / 画像セグメンテーション / ユーザインターフェイス / Webアンケート調査 / 数量化3類 / 安全走行支援情報システム / 路面標示 / 交通安全 / 教育システム |
研究開始時の研究の概要 |
自転車は子どもから大人まで国籍等を問わず、多くの人が気軽に利用できる。昨今では、日常生活以外にも、ビジネスや観光などでの利用も増えている。しかし、利用者や利用機会の増加に伴って、自転車の関係する交通事故が問題となっている。本研究では、これまで高度交通システム分野で検討されてきた情報通信技術に依存せず、単独で動作する「自転車のための安全走行支援情報システム」の実現方法と、その効果を明らかにする。さらに、提示内容を直感的に理解可能な画面表示についても検討を行う。これらのシステムの実現により、自転車利用者の交通事故低減、児童や学生が正しい交通ルールを学ぶための教育システムとしての利用も期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、高速・大容量な無線通信技術、正確・高精度な位置特定技術、新たな道路インフラ設備に依存せず、スタンドアロンで動作する「自転車のための安全運転支援情報システム」の実現方法とその効果を明らかにすることを目的に進めている。今年度は、昨年度までに得た知見をもとに、安全運転支援情報システムに搭載する一部機能の効果検証、通行区分違反検出のための走行環境識別アルゴリズムの構築・性能評価、自転車を利用する子どもの保護者を対象とした意識調査を行った。 安全運転支援情報システムに搭載する一部機能の効果検証では、逆走抑制・一時不停止抑制について、昨年度までに得た認知・理解しやすいインターフェイスに関する知見に基づいてシステムを構築し、実車走行実験により効果を検証した。その結果、逆走・一時不停止のいずれにおいても違反運転抑制の効果が見られた。また、実験終了後も違反運転に対する意識向上が見られた。 走行環境識別アルゴリズムの構築・性能評価では、自転車の走行環境(歩道/車道)を識別するために画像セグメンテーションをベースとしたアルゴリズムを構築し、その性能を評価した。その結果、道路環境に依らず歩道走行と車道走行を高い精度で識別できることを示した。 また、自転車を利用する子どもの保護者を対象とした意識調査では、安全運転支援システムの利用意向に影響する要因として、交通安全教育の効果等の期待項目、および故意に警告を出すような行動をしてしまう等の不安項目を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
安全運転支援情報システムの効果検証では、搭載する機能の一部に関して、実車走行実験を行い、違反運転抑制の効果があることを示すことができた。また、実験終了から2週間後に実施した事後アンケートにおいても、日常生活における逆走・一時不停止への意識の向上・停止行動の増加が見られ、本システムが交通安全教育の一助になる可能性を示した。 画像セグメンテーションをベースとした走行環境識別では、幅員や歩道の高さの異なる複数の道路環境において性能評価を行い、提案手法の高い識別性能とロバスト性を示すことができた。 また、自転車を利用する子どもの保護者を対象とした意識調査では、安全運転支援システムの利用意向に影響する要因として期待項目と不安項目を明らかにし、警告方法等、留意すべき点に関する知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
安全運転支援情報システムの効果検証では、異なる属性の参加者を対象とした評価実験、警告内容の追加、個人特性に依存しないユーザインターフェイスの検討が挙げられる。 走行環境識別アルゴリズムでは、転移学習を必要としない実現方法の確立が挙げられる。 また、保護者が期待すること、不安に感じることに対応するため、交通安全教育効果に関する検討と検証や、子どもが警告が出ることを楽しむようなことのない方策の検討が挙げられる。
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