研究課題/領域番号 |
20K04734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
松田 曜子 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (90632711)
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研究分担者 |
上米良 秀行 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 契約研究員 (50470125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 避難 / 気象・水文データ / オープンデータ / 地域学習 / 地域防災 / Visual Analogue Scale / ローカル・ナレッジ / ポピュレーションアプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、危機管理型水位計など防災情報技術を利用した近年の防災施策が、合理的な情報を受けて合理的な判断を下す人間像を前提として成立していることを指摘し、そうではなく「人間は自らの避難行動について事前に学ぶことはできるが、とっさのときにはつい経験や感覚に頼って行動してしまう」というヒューリスティックな人間像を前提にした防災学習ツールを、保険分野で確立されたポピュレーションアプローチを論拠に開発することを目的とする。 開発に当たっては、既に公開されている気象、水文データ(パブリックデータ)を徹底的に活用し、その実用化に向けた検討、プロトタイプ作成、および地域における有用性の検証の3点を行う。
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研究成果の概要 |
本研究によって,パブリックデータの観察を「水位変化の観察を日常生活の延長,あるいは学びとして行う」取り組みや,「住民が見やすい水位表示」であるユーザー要求の明確化を行うことで,ポピュレーションアプローチにもとづいた水害地域学習が可能であることを示した. さらには,本研究が前提とした「人は自らの避難行動について学ぶことができるが,とっさのときにはつい経験や感覚に頼って行動してしまう」というヒューリスティックな性質に加え,「人間は(自らの命を守るためというのみならず)本質的に依存しあうからこそ避難する」という前提も避難行動の研究には重要であるという考察に至った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
防災情報技術の進展に基づく,情報提供により避難行動を促すソフト政策の根底には,「自らの避難行動について無為無策」である一方,「合理的な情報を受けて合理的な判断を下す」人間像が想定されている.本研究の成果である,河川防災情報に対するユーザー要求の明確化,水害地域学習教材におけるアナロジーの利用,住民どうしの会話が避難意志にもたらす影響に関する調査の研究成果は,この前提そのものを見直し「自らの避難行動について事前に学ぶことはできるが,とっさのときにはつい経験や感覚に頼って行動してしまう」というヒューリスティックな人間像を前提とした水害対策として提案しうる.
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