研究課題/領域番号 |
20K04747
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
児島 利治 岐阜大学, 高等研究院, 准教授 (90346057)
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研究分担者 |
長谷川 泰洋 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (10834913)
橋本 啓史 名城大学, 農学部, 准教授 (30434616)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 森林生態系サービス / 森林環境税 / 流域スケール / 総合評価モデル / 統合評価モデル |
研究開始時の研究の概要 |
防災,温暖化防止,生物多様性等の生態系サービス(ES)は多様なプロセスの相互作用による結果であり,各ES間にはトレードオフとシナジーが存在する.持続可能な森林資源の維持にはESを定量的に評価できるツールによる森林管理施策の評価が必要である.一方,森林管理のコストは森林環境税としてESの受益者が負担することとなりつつある.しかし森林ESの供給場と受益場が離れているため,どこの森林からどの程度のESを受けているかを把握できていない.本研究ではコスト支払者に対して最適な森林管理シナリオを提案するためのツールとして,流域スケールでプロセスの相互作用を考慮した統合生態系サービス評価ツールを開発する.
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研究成果の概要 |
生態系サービス(ES)は多数のプロセスの複合した結果であり,ある箇所の改変は各ESに個別の影響を及ぼす.森林の維持管理施策の評価には,ES間のトレードオフ関係を精度よく評価し,流域スケール,かつ国内の植生を対象とした総合的な生態系サービス評価モデルによる評価が必要である.本研究では,国内の植生を考慮した森林生長モデルと4種に分類されるES(調整,供給,基盤,文化サービス)のうち,調整サービスとして渇水抑制機能,炭素吸収機能,供給サービスとして木材供給機能,基盤サービスとして鳥類の生物多様性機能,文化サービスとして遠景景観のトレードオフ関係を総合的に評価する統合ES評価ツールの開発を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林の維持管理施策には,供給者の立場に立った森林整備計画や森林環境税等がある.森林環境税は森林環境の維持増進を目的とし,国レベルでは令和6年度から導入されている.これらの政策は,支払者である市民は支払ったコストに対してどのようなサービスを得ているかは知らされておらず,公正な維持管理施策を進めるためには,市民のニーズを把握し,それを実現するための森林管理シナリオの方向性を示す必要がある.そのためには,各シナリオに対して市民が受けられるサービスを高精度かつ供給場所と受益場所との関係性を明示的に示すことができる評価ツールが必要であり,本研究で構築した統合評価モデルが今後活用されることが期待できる.
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