研究課題/領域番号 |
20K04749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
今井 剛 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20263791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 発電菌 / 導電性コンクリート / 硫化水素 / 下水管 / 下水道の長寿命化 / 導電性材料 / メタゲノム解析 / Geobacter sp. |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「発電菌」の適切な制御と「導電性を付与したコンクリート下水管」との組み合わせにより、下水管内において硫化水素の発生抑制を実現できる革新的技術を開発することを目的とする。具体的には炭素粉や鉄粉(磁性粉)、鉄鋼スラグ等を混入して導電性を付与したコンクリート下水管内に電子の伝達経路を創出する。そして硫化水素を硫黄へ酸化する発電菌の集積培養方法並びに定着方法を確立することで適切に制御を行い、導電性を付与したコンクリート表面に発電菌を積極的に増殖・定着させる。この発電菌により汚泥堆積層内の硫化水素を酸化させることで、維持管理コストが低い全く新しい硫化水素の発生抑制技術の実現を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,導電性コンクリートを用いた発電菌の制御により下水管内の硫化水素を抑制する技術を開発することである.本研究の結果,導電性コンクリートを用いた発電菌の制御により水中の硫化水素を大幅に抑制できることがわかった.また,導電性コンクリートでは実験後の汚泥堆積物に元素硫黄が含まれており,硫化水素から元素硫黄への酸化反応が確認できた.つまり,導電性コンクリート壁内に電子の伝達経路が形成され,嫌気的環境にありながらも水面近傍に存在する酸素を電子受容体として利用して硫化水素を酸化・抑制できることが分かった.さらに発電菌が硫化物を生物学的に酸化して減少させていることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として嫌気的な下水管の底層部にありながら水面近傍に存在する酸素を電子受容体として底層部の硫化水素を酸化・抑制できる発電菌による硫化水素の酸化メカニズムを解明し,また分子生物学的手法によりこの発電菌の主なものがGeobacter sp.であることを明らかにした本研究の学術的な意義は大きい. 現在管路施設の維持管理を行う上で大きな問題となっているのが下水管内で発生する硫化水素に起因する下水管の腐食である.本研究の成果により更新コストと維持管理コストを抑え、かつ硫化水素に対して高耐久かつ強靭性のある下水道施設が実現でき,もって持続可能な社会の実現に寄与できることが本研究の社会的意義である.
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