研究課題/領域番号 |
20K04756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
橋本 温 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (30332068)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウェルシュ菌 / エンテロトキシン / 過酢酸 / 根菜類 / 下水放流水 / 塩素消毒 / 食中毒 / cpe遺伝子 / 糞便汚染指標 / cpe / 水循環システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水循環システム(下水放流水-水環境-耕作地など)による食中毒起因ウェルシュ菌のリスクの評価とその有効な対策を考慮した安全な水循環システムについて考察することを目的として、以下の3つの課題について検討する。 ① 「cpe保有ウェルシュ菌の下水放流水-灌漑用水-耕作地土壌における挙動」 ② 「ウェルシュ菌を考慮した下水の消毒法としての過酢酸および紫外線消毒の効果」 ③ 「ウェルシュ菌のリスクを考慮した安全な水循環システム」
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研究成果の概要 |
ウェルシュ菌の環境や食品の汚染源として、cpe保有ウェルシュ菌が多数存在する下水放流水の関与およびその下水放流水での塩素に代替する消毒法について検討することを目的として、下水および根菜類から分離されるウェルシュ菌の遺伝子組成の評価および下水放流水の過酢酸による代替消毒法の効果について検討を行った。じゃがいも付着土壌からcpe保有ウェルシュ菌が分離され、遺伝子型の調査を行ったところ、下水放流水から分離されるcpb2を有するタイプは分離されず、下水放流水との関連性は認められなかった。また、過酢酸は下水放流水中のウェルシュ菌を2,000 mg・min/Lでは約-2 log不活化させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根菜類(じゃがいも)表面付着土壌からcpe遺伝子保有ウェルシュ菌を分離し、ウェルシュ菌の環境での動態を明らかにする上で学術上意義の高い情報を得ることができた。加えて、本菌の根菜類の汚染状況は食品衛生上も極めて重要な情報である。さらに、過酢酸による塩素耐性のウェルシュ菌に対する不活化効果を示したことも、水質衛生学上ならびに健全な水循環システムの構築の上でも意義の高い情報であると考えられる。これらの成果は、微生物学、衛生学、衛生工学などの学術的側面および水処理や水循環、食品衛生などの社会的な側面の両面から意義のあるものである。
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