研究課題/領域番号 |
20K04760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
本郷 哲 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (80271881)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 路面状況判別 / 圧雪路面 / 深層学習 / 周波数解析 / 乾燥路面 / アイスバーン / 走行音 / 冬季路面 / 音響分類 / ディープラーニング / 圧雪 / シャーベット / 道路状況認識 / 音響信号を用いたディープラーニング / 凍結路面認識 / 運転アシスト / 凍結路面 |
研究開始時の研究の概要 |
冬季山間部の自動車安全移動には、道路状況の高精度把握が重要である。 本研究では、走行車から走行音・振動データを収録し、従来から車両が得ているGPSや温度情報などと統合することにより道路凍結状況の認識・把握を行うことを目的とする。将来的には、GPS情報とともに収集・蓄積し、マップ上に表示・提供し、実時間で凍結情報や危険箇所を広報することを目指す。走行車からの情報収集のため、高精度で走査した道路状況データを得られることから、従来にはない網羅的かつ詳細な凍結箇所や危険箇所の情報を共有できる。本研究により冬季の山間部走行際の安全への貢献、将来の自動運転にも寄与するなど社会的な貢献が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、車両走行時の空中オンに着目し、その変化を認識することで冬季の路面状況を判別する手法を提案している。これらの技術が各車両に搭載され、各車両から地図情報サーバーに路面情報を蓄えられれば、生活道路なども含めた詳細な道路情報を提供できる。 これまでは、複数の路面状況の走行音をマイクで収集し、得られた音響データに対して深層学習を行ってモデルを作成し、提案手法の有効性を検討した。また、路面の状況判別に有効な周波数帯域を明らかにした。2023年度は、これまでcovid-19や温暖化のために実験ができていなかった、アイスバーン、悪路における実験、様々な車種における実験を行った。 2024年1月には新潟県中部(長岡市など)においてこれまで実験していた車両(ニッサンエルグランド)とは異なる車両(ホンダステップワゴンSPADA)により、主にシャーベット路面、湿潤路面における実験を行った。 また2024年3月には、モンゴル国ウランバートル周辺にて、(トヨタプリウス)を用いて、悪路、乾燥路面、湿潤路面、アイスバーンにおける実験を行った。これらの実験結果を用いて、速度について3パタン(30km以下、30-50km、50km以上)、路面状況について5パタン(悪路、アイスバーンを追加)、車種3パタンの条件とその組み合わせを変えて深層学習を行い、判別実験を行った。判別実験の結果からは、車種によってネットワークモデルを変更する必要性が窺われた。また、組み合わせについては、判別性能の差が出たものの、判別性能向上に寄与する要因は確認できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19による感染対策のため、当初予定していたアイスバーンのデータが中々取得できなかった。また2023年度には外国渡航が可能となったため、寒冷地における実験をすることができるようになったが、冬になってから漸く実験を行うことができた状況である。
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今後の研究の推進方策 |
Covidの影響で実験が遅れ、 ようやく実験データを得られたのが冬であったことから、学習や判別のモデルの良し悪しまでは評価できておらず、今後評価する必要がある。 具体的には、昨年度の実験において、速度3パタン、路面5パタン(悪路、アイスバーンを追加)、車種3パタンの条件とその組み合わせを変えて深層学習を行い、判別実験を行っているが、条件数が多すぎるため、実用的に意義があり、かつ路面判別性能が上がる条件パタンを見出す必要がある。 また、新たに得られた学習データを用いた判別実験の結果からは、車種によってネットワークモデルを変更する必要性が窺われたものの、どのような学習を行えば良いか、学習データの組み合わせ方による判別性能の差は何が要因かなど明らかにしていく必要がある。 また、実験が遅れたため、付随して国際会議や論文執筆などの研究の総まとめ作業に遅れが生じており、論文執筆をした上で、国際会議等に参加する予定である。
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