研究課題/領域番号 |
20K04765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 茨城県霞ケ浦環境科学センター(湖沼環境研究室、大気・化学物質研究室) |
研究代表者 |
長濱 祐美 茨城県霞ケ浦環境科学センター(湖沼環境研究室、大気・化学物質研究室), 湖沼環境研究室, 主任研究員 (00618506)
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研究分担者 |
石川 由紀 (石渡由紀) 茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 特命研究員 (90865958)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 霞ヶ浦 / 北浦 / 牛久沼 / 植物プランクトン / 脂肪酸組成 / 炭素・窒素安定同位体比 / 珪藻 / 有機物動態 / 底泥 / 安定同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
流入河川の水質が改善してきた一方で,湖沼水質の改善状況は横ばいである。この問題に対し,本研究では,湖沼の内部生産を担う植物プランクトンと,湖底堆積有機物の質的動態に着目したアプローチで解決を試みる。異なる植物プランクトンの種類によって産生された有機物に着目し,湖底に沈降する有機物と堆積している有機物とを別個にとらえることで,底泥中における生産起源ごとの有機物動態を明らかにする。湖沼生態系に対し内部負荷の影響が大きいこと,ならびに,底生生態系の影響が大きいことを鑑みれば,本研究結果は,健全な水環境創出のためのブレイクスルーになると期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、異なる植物プランクトンの種類によって産生された有機物に着目し、湖底に沈降する有機物と堆積している有機物を別個にとらえて、底泥中における生産起源ごとの有機物動態を明らかにすることである。初年度となる2020年度は、研究計画1のうち、植物プランクトン群集と炭素・窒素安定同位体比ならびに脂肪酸組成の関係についての解明を試みた。2年目となる2021年度は、出産・育児のため、2021年4月から2022年4月まで、一年間、当研究課題を中断した。 3年目となる2022年度は、2020年度末の課題であった、植物プランクトンの脂肪酸組成の安定的分析について検討を行った。2020年度末に、環境水中の脂肪酸組成を分析したところ、既往研究で対象としているような植物プランクトン種類に特徴的なマーカー脂肪酸を安定して検出できなかった。そこで、植物プランクトンの単離・培養を専門とする共同研究者を追加し、室内で培養した複数種の植物プランクトンについて脂肪酸組成を分析した。その結果、既往研究と同様に、種類ごとに明瞭な差を得ることができた。このことから、今回の分析結果不備の原因が分析方法そのものではないことが示され、環境水の前処理方法ならびに濃度の検討が必要であると示された。さらに、細胞濃度と脂肪酸濃度の相関関係についても検討しており、データを解析して、安定的な分析が行えるよう、検討を続けていく。 さらに、初年度に明らかにした牛久沼の植物プランクトンと水質の関係について解析を進めたところ、牛久沼の水質の変動傾向について興味深い知見が得られたため、論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画1のうち、形態学的知見からの植物プランクトン群集組成の解明ならびに、過去データとの比較もよく行われ、学会発表等の業績を残すことができている。一方で、本研究で最も重要な鍵となる脂肪酸組成の分析が停滞していることから、(3)やや遅れている と評価した。前年度末には、脂肪酸組成分析のための前処理や測定はスムーズに行うことができているものの、既往研究で対象としているような植物プランクトン種類ごとのマーカー脂肪酸を安定して検出することができていなかったが、今年度には共同研究者を追加し、室内試験を行ったことによって問題が解消され、既往研究で対象としている植物プランクトン種類ごとのマーカー脂肪酸を検出できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、脂肪酸の安定分析について急ぎ注力するとともに、当初の研究計画のとおり沈降する有機物の起源解明についての研究を遂行する。 脂肪酸の安定分析については、それぞれ以下の対応を行う。また、国内における同分野の分担研究者の追加についても検討する。 1. 分析機器に用いているガスの純度:ガスクロマトグラフィーのガスラインを変更し、圧縮空気をボンベから直接送るようにすることで、小さなピークの分析を可能とする。 2.前処理方法:サンプリング量を増やして濃縮濃度を減らし、濃縮に伴う不飽和脂肪酸の酸化を軽減させる。 さらに、沈降する有機物の起源解析について、セジメントトラップを作成し、河口域を中心にサンプリングを行う。また、採取した沈降物の炭素・窒素安定同位体比ならびに脂肪酸組成の測定を行う。
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