研究課題/領域番号 |
20K04782
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
持田 泰秀 立命館大学, 理工学部, 教授 (60581171)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 施工模擬実験 / ソイルセメント / 電気比抵抗 / 無線伝送化 / 電波減衰 / ICT / 杭周固定液・根固め液 / 圧縮強度 / セメントミルク / 無線化 / 施工モニタリング / プレボーリング工法埋込み杭 |
研究開始時の研究の概要 |
杭基礎工事は、沈下等の不具合により建替えるなどの、多大なリスクのある重要な工事である。2016年にマンションが傾くなど、プレボーリング工法埋込み杭の施工上の品質不良を原因とする社会的問題が生じた。これまで、杭周固定液・根固め液は、現場プラント試料や未固結試料などを用いた杭施工中の品質確認のみを行ってきた。そのため、施工直後の安全な孔壁形態や圧縮強度の確保された品質を十分に確認できていない。本研究は、現在の施工中の品質確認に加えて、施工直後のセメントミルクの品質確認の手法に、電気比抵抗をICTに活用した施工モニタリングでの早期の確認手法を確立し、杭工事における信頼性の高い品質管理方法を実現する。
|
研究実績の概要 |
令和4年度は、電気比抵抗調査の可能性として、場所打ち杭のスライムに関する室内実験と現場施工実験を実施した。 室内実験では、安定液に土砂が混入した場合を想定し、試験体作成から約24時間後に電気比抵抗の測定を行った。実験材料の安定液の配合は砂質土(珪砂7号)・粘性土(笠岡粘土)の混入を想定して、泥水を作製した。電気比抵抗を測定機器として、ポータブル型測定器とミキシングテスター測定器の2種類を用いた。通常の泥水粒子による沈殿槽であるスライム層上に混和剤の層があることにより、ミキシングテスター測定器のみで電気比抵抗値の低下を測定した。通常のポータブル型測定器では測定し得なかった。 現場施工実験では砂分率管理の場所打ち杭のスライム処理を実施した。実際の杭施工を行い、スライム処理前に懸垂型比抵抗測定装置で深さ方向の比抵抗測定を行った。更に、特殊ポンプとベントリープラントを用いたスライム処理を用いて、特殊ポンプに設置した交流4極電気比抵抗センサーにて、スライム処理時の時刻歴の砂分率と電気比抵抗の関係を測定した。これより、電気比抵抗による砂分率の定量的な評価式を導き出した。小さな砂分率領域での関係性には信頼性が乏しいことより、今後、追加の測定実験を行い精度を高める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、コロナ感染対策のために、実験や研究室での研究作業に制限が生じたため、進捗が遅れていた。しかし、今年度は、制限がなく順調に進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
本来のセメントミルクの電気比抵抗による強度推定の可能性を再検証する。電気比抵抗測定器をこれまでのポータブル型から、4電極の面積や距離を検討し、電気比抵抗の精度を向上させると同時に、測定の生産性も確保できる手法を提案する。 これまでより、精度を上げることで、より定量的な評価の可能性を検討する。 場所打ち杭のスライム処理での砂分率評価に電気比抵抗を用いる取り組みも、施工実験を実施し、より信頼性の高い電気比抵抗による評価方法を提案する。
|