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土蔵の土壁における伝統左官技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04800
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分23010:建築構造および材料関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

輿石 直幸  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00257213)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード土蔵 / 伝統土壁 / 左官 / 材料 / 調合 / 竹 / 縄
研究開始時の研究の概要

江戸後期から明治期に日本各地に建築された「土蔵」の壁体は、住宅や茶室などに採用される「小舞壁」とは異なり、厚く継ぎ目のない大面積の土壁で構築されているため、その実現には、層間剥離、下地や構造体からの剥落、ひび割れなどの抑制に高度な左官技術を駆使されている。
本研究は、文化財建造物修理工事報告書等の文献調査、既存土蔵の実地調査、既存土蔵から切り取った壁体ブロックによる材料・調合の分析、さらに要素技術の検証実験を行い、建築材料学の視点からこれまで皆無であった左官技術情報を記録に残す。

研究実績の概要

江戸後期から明治期に建築された日本各地の土蔵における左官技術を建築材料学の視点から記述し記録に残すため、3つの研究項目、すなわち、Ⅰ:既存文献の調査、Ⅱ:既存土蔵の実地調査ならびに壁体層構成および材料・調合の分析、Ⅲ:要素試験体による左官技術の評価を行っている。
令和5年度は主に研究項目Ⅱのうち、過去に既存土蔵から採取した壁体ブロックで、材料分析等が実施されていなかった2件について、壁体層構成および材料・調合の分析を行った。分析は過去と同様の方法で実施した。まず、試験体の切断面を目視で観察し、塗付け層の境界や縄の断面を根拠に層構成に見当を付け、次に異なる層の材料が混在しないように各層を切断する。各層の断片に水を加えペースト状にし、スサ、レキ(2mmふるい残留分)およびその他(2㎜ふるい通過分)の3つに分離する。そして、2㎜通過試料について、粒径分布、コンシステンシー曲線(塗付け作業性に関係する特性)、乾燥収縮曲線(ひび割れに関係する特性)および圧縮強度(土の凝集力に関係する特性)を測定し、塗付け各層のスサ含有率と材料物性を明らかにした。また、切断時に各層の厚さと、縄および竹下地の径や間隔などを記録し、断面構成を記録した。
さらに、研究項目Ⅰについても情報整理を続けており、研究項目Ⅲで行った実験結果をも踏まえ、現時点で土蔵の層構成は次の5つの役割、すなわち、軸組から外部仕上げの方向に向かって、①軸組への壁下地の固定、②壁下地への土塗り層の一体性の確保、③連続し壁面の形成、④乾燥収縮および吸水性の調整、⑤耐水性および意匠性の付与、を持つ層で構成されていることがわかっている。
令和6年度には、3つの研究項目の結果を総括し、研究を取り纏めたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2度の研究期間延長があったため、当初予定を達成できそうである。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、3つの研究項目について得られた結果を総括して、全体の取りまとめを行う。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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