研究課題/領域番号 |
20K04802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
犬飼 利嗣 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30548326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 施工 / 流動性 / レオロジー / 透水係数 / 耐久性 / 表層 / 物質移動抵抗性 / 評価手法 |
研究開始時の研究の概要 |
コンクリートの施工を合理化するには、その流動性を定量化することが不可欠である。しかし、流動性を定量化することは、具体的なデータを得る実験的研究の分野ではあまり進展していない。また、構造物の維持管理に関わる耐久性は、表層部の物質移動抵抗性により評価されることが多い。しかし、物質移動抵抗性を施工前に推定することは殆どない。 本研究では、このような課題を解決するために、新たな品質評価手法を提案する。具体的には、コンクリート施工の合理化と構造物の耐久性の推定が同時に図れる、フレッシュコンクリートの透水係数によるコンクリートの流動性評価手法および硬化後表層部の品質推定手法を提案する。
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研究実績の概要 |
研究の4年目とした令和5年度は,より精度良くレオロジー定数を測定するために,小型羽根挿入式試験装置によるレオロジー定数の測定方法について再検討するとともに,測定に供した試料の見掛けのレオロジー定数を模擬材料のレオロジー定数を適用して作成した検量線で補正することを試みた。その結果,レオロジー試験では,試料容器の直径を200mmとし挿入羽根の挿入速度を180mm/min以上とする必要があること,せん断応力度の算出にあたっては,挿入距離にして20~90mm(試料上面より50~120mm)の領域が対象となることを示した。しかし,その一方で,挿入羽根の挿入速度に大きく影響され,改良型小型羽根挿入式試験装置で測定した塑性粘度はかなり小さい値になること,モルタルをシリコーンオイルとし粗骨材をナイロン球と仮定した模擬材料より作成した検量線でフレッシュコンクリートの塑性粘度を補正すると,実際にはあり得ない極端に大きな値となることも考察した。したがって,小型羽根挿入式試験装置の挿入羽根の挿入速度を改良するとともに,フレッシュコンクリートのレオロジー定数を補正する上での模擬材料についても検討することが,研究の最終年度とした令和6年度の課題である。 一方,硬化後表層部の品質推定手法に関する取り組みとしては,試験体表面から深さ方向の距離が,小径ドリル型削孔試験によるドリル削孔速度と,その削孔試験跡で測定した物質移動抵抗性(簡易透気速度)に及ぼす影響について検討した。その結果,表面から深さ方向の距離は,ドリル削孔速度に及ぼす影響が小さいこと,簡易透気速度は表面から深さ方向の距離が増大すると減少すること,また,表面から30mm程度の範囲では, 簡易透気速度とドリル削孔速度の間には相関関係がみられることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の4年目とした令和5年度の目的は,より精度良くレオロジー定数を測定するために,小型羽根挿入式試験装置によるレオロジー定数の測定方法について再検討するとともに,測定に供した試料の見掛けのレオロジー定数を模擬材料のレオロジー定数を適用して作成した検量線で補正することにある。改良型小型羽根挿入式試験装置で測定した塑性粘度はかなり小さな値ではあるが,せん断速度とせん断応力の関係は,ばらつきはあるものの直線関係が得られることを示した。しかし,その一方で,モルタルをシリコーンオイルとし粗骨材をナイロン球と仮定した模擬材料より作成した検量でフレッシュコンクリートの塑性粘度を補正すると,実際にはあり得ない極端に大きな値になることも考察した。研究期間を1年延長し令和6年度を研究の最終年度としたが,小型羽根挿入式試験装置の挿入羽根の挿入速度を改良するとともに,ビンガム流体標準物質を用いるなど,レオロジー定数を補正する上での模擬材料についても再検討すればフレッシュコンクリートのレオロジー定数を精度よく測定できると考えられるので,本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の4年目とした令和5年度は,より精度良くレオロジー定数を測定するために,小型羽根挿入式試験装置によるレオロジー定数の測定方法について再検討するとともに,測定に供した試料の見掛けのレオロジー定数を模擬材料のレオロジー定数を適用して作成した検量線で補正することを試みた。研究の最終年度とした令和6年度は,挿入羽根の挿入速度を改良と模擬材料について再検討し,フレッシュコンクリートのレオロジー定数を求めるとともに,考案した吸引式フレッシュコンクリートの透水試験で得られる透水係数との関係を整理することが主な目的である。また,本研究の最終目的は,フレッシュコンクリートの透水係数によるコンクリートの流動性評価手法および硬化後表層部の品質推定手法の開発にある。したがって,今後は,改良型小型羽挿入式試験器によるフレッシュコンクリートのレオロジー定数の定量化を詳細に検討するとともに,コンクリート表層部の物質移動抵抗性を,ドリル削孔速度や透気性などといった耐久性指標から比較検討する。フレッシュコンクリートの透水係数と物質移動抵抗性との関係を詳細に検討することで,より精度の高い硬化コンクリート表層部の品質評価手法を提案する。
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