研究課題/領域番号 |
20K04804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
辻村 壮平 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (80409458)
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研究分担者 |
朝倉 巧 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 准教授 (60778207)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 集合住宅 / 音環境 / 遮音性能 / 騒音感受性 / 不快感 / アンケート調査 / 聴感評価実験 / 構造方程式モデリング / 騒音問題 / 個人差 / 騒音レベル / 許容範囲 / 評価構造 / アノイアンス / 心理音響 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、集合住宅の居住者を対象とした近隣騒音に関するアンケート調査を実施し、騒音感受性の個人差が居室の音環境評価に及ぼす影響について検討を行う。さらに、集合住宅の居室において視覚情報と聴覚情報のデータ収録を行い、視聴覚情報を再現できる実験システムを用いて音環境の印象評価実験を実施する。これらの調査や実験によって得られたデータを統計解析し、騒音感受性の違いによる居室の音環境の評価構造の差異を抽出する。これらの知見を体系的に整理し、静寂な音環境における不快感の発生要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年、集合住宅の居室において騒音レベルが低い場合でも居住者が不快感を訴えるような新たな騒音問題に対して、音環境評価に影響を及ぼす個人属性の要因(非音響要因)を体系的に整理した。「主観的な遮音性能の印象」と「騒音感受性」および「子供の有無」が音源に対する心理評価に影響することがわかった。さらに、気になる印象を抱いてしまうと悩まされる印象まで至りやすく、聴感的に小さな音源でも苦情に繋がる可能性が高いことを示した。遮音性能が高い住戸の居住者は自住戸で発生する音に注意が向きやすく、特に「トイレの給排水音」や「冷蔵庫の機械音」は小さいレベルでも煩わしさを感じやすく、苦情が生じやすいことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外部から透過する騒音レベルを低減させるような遮音性能の向上や、室内発生騒音のレベルの抑制など、従来の音のエネルギー量に基づく騒音低減手法の検討では解決が困難であった近年の新たな騒音問題に対して、本研究は遮音性能の高い居室にみられるような静穏な音環境下において生じる不快感の要因解明に繋がる知見を得た。「建物の遮音性能を高めて騒音を低減する」や「居室内で発生する騒音減のエネルギーを低減する」という従来のアプローチにより低い騒音レベルの音環境が実現されている一方で、新たに生じている騒音問題に対する解決策の一端を見出すことができた。
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