研究課題/領域番号 |
20K04807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐藤 逸人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30346233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 防災行政無線 / 屋外拡声システム / 実測調査 / 幾何音響シミュレーション / 音声了解度 / 分散配置 / 正常性バイアス / エコー |
研究開始時の研究の概要 |
屋外拡声システムを用いた防災情報の提供は有用であるが,日によって聴こえ方が違う,あるいはエコーによって聴き取りにくいという問題がある。この問題の根源は,風に代表される気象条件の影響が音の伝搬距離が長くなるほど大きくなることにある。本研究では,この問題を回避するために,スピーカをできるだけ多く分散配置して音の伝搬距離を短くしつつ,避難を促すために最低限必要な音圧レベルで拡声する方法について研究する。
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研究成果の概要 |
防災情報を提供する屋外拡声システムについて,品質を安定させるスピーカの分散配置設計のための基礎資料を得るために以下の(1)から(3)の研究を行った。(1)既存の屋外拡声システムを対象として長期実測調査を行い,スピーカからの距離と音圧レベルのばらつきの関係の一例を示した。(2)既存の警報音を用いた聴取実験を行い,緊迫感を感じさせるためには65dB程度の音圧レベルが必要であることを示した。(3)都市街区を対象とした幾何音響シミュレーションにより,スピーカをできるだけ高い位置に設置する方法と道路を音の伝搬経路として用いる方法について検討し,それぞれの利点を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,屋外拡声システムのスピーカの分散配置の設計に不可欠な基礎情報を提供するものである。具体的には,本研究によって示された拡声音の必要最小限の音圧レベルの目安と,スピーカからの距離による音圧レベルのばらつきの実測事例は,それぞれのスピーカから再生する音の音圧レベルを十分な安全マージンを持って設計するための基礎資料となる。また,都市街区でのスピーカ配置の最適化事例も今後新設・増設される屋外拡声システムの参考資料となる。これらは社会的には災害に強い社会基盤の実現に貢献するものである。また,学術的には蓄積の少ない屋外における音声の長距離伝搬に関する貴重なデータとして資するものである。
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